HARLEY-DAVIDSON FLSTF 2000
DAN’S MOTOR CYCLE
ガードを突き抜く
凄目のカウンター
多用な『顔』を持つショップだ。チョッパーを手掛けたと思えば、このユーロスタイルである。しかも、ただのユーロではなく、フロントに26インチホイールをセットし、骨格からモディファイしたゴリゴリのフルカスタムだ。
店主の小井出さん曰く、このマシンは元々完成していたものに改良を加えたバージョンだと言う。しかしそれは簡単なものではなく、骨格となるフレームからやり直す必要のあるレベルだった。そう、当初の18インチから26インチホイールに変更することで、すべての箇所を見直すことから始められた。
「最初は前後18インチホイールで揃えとったんですかね。でも前が小さく見えるのが気になって、オーナーがデカイのを入れたいと。それで26インチを付けることにしたんですが、もう最終的には全部やり直さなあかんていう条件ですよね」
ホイール交換だからといってポン付けで済むはずは無かった。そのままではトレール量が確保されずにハンドリングが重過ぎる。これでは普通に乗ることすら出来ないため、トレール量が出るようにネック周りを加工し、フォークもショートタイプに変更。併せて各部のディメンションも調整することで、今ではこんなド級のスタイルながら驚くほど軽い取り回しを実現している。
外装はほぼワンオフで構成。タンクとダウンチューブ前に設置したオイルタンクなどはスチールで製作し、他はファイバーである。これは重量化するのを避けるためだと言うが、ポイントはそこでなく、ファイバーまでを自らで手掛けている点だ。しかしそこを訊ねれば、「あまり外注に振ってしまうと思う形にならない」、とトンカツの衣のようなサクッとした返答である。
そして、サブパイプで強度を確保したスイングアームもワンオフで、これはダンズでは大技の部類かを懲りずに聞けば、「普通のこと」と、これまたふんわり予想していた言葉があえなく返って来た。さて、これまでである程度分かったと思うが、実はココ、ほとんどの加工物をたった一人でこなすショップなのである。事前知識なく先方のリングに立ったものだから、次々に繰り出されるカウンターでもうボコボコだ。
バイクも凄い、ペイントも凄いだと見る場所が無くなってしまう。そこがいつも迷うと言う氏は、ペイントで見せるなら極端な話ノーマルでも良いし、車体ならペイントは抑えるべきだと付け加える。でも、果たしてこれはどうだろう。ペイントの下地作りからも深く関わり特殊なガンメタリックで彩った一台を前に、もはや『凄い』の基準が分からない。
HARLEY-DAVIDSON FLSTF 2000 DETAIL WORK
FRONT FORK
3度レイクの三つ又を付けたSJP製の倒立ルックな正立フォークを装着。ヘッドライトはV-ROD用を流用する。
FRONT WHEEL
大幅な改良の起点となったPM製26インチホイール。ダウンチューブにワンオフのオイルタンクをセット。
GAS TANK
メインチューブにツライチで合わせられたタンク。鈑金を駆使して成形し、調合に時間を掛けたガンメタで塗装。
ENGINE
シリンダーとヘッドにデルクロン製107cu.in.キットを搭載。腰下は純正ケースをボーリングして使用する。
SWING ARM
基本すべての箇所をワンオフで製作。強度は勿論、見た目を損ねずにメンテナンス性を考慮して仕上げられた。
REAR END
リアに300ワイドを履かせる。フェンダーはファイバーを使い自作。デザインのアクセントにスリットを入れる。
BUILDER’S VOICE
DAN’S MOTOR CYCLE
住所 | 大阪府東大阪市新家西町4-16 |
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電話 | 06-6785-0511 |
FAX | 06-6785-0512 |
SHOP | DAN’S MOTOR CYCLEのショップ紹介 |
営業時間 | 11:00 ~ 20:00 |
定休日 | 水曜日 |