HARLEY-DAVIDSON XL883C 2004
INDIGO CUSTOM CYCLE
誰のためのカスタムか
多国籍料理屋の旨味エキス
ハーレーを筆頭に、BMWやモトグッツィ、ヤマハSR、カワサキZなど、幅広く車種を扱うカスタム屋である。しかも、そのどれもが同店のカラーにビッと染め上げられてストライクゾーンを外さない。例えるなら、バランス感覚とサジ加減が巧みで、誰を連れて来ても満足させる多国籍料理を出す店といったところか。
カスタムにしても販売・修理といった業務全般にしても、どれかに偏るのではなく全体的に力の配分が取れた印象である。そんなスマートな経営センスを持つ代表の長谷川さんに早速今回のカフェレーサーについて話を聞いてみた。
「以前XL1200Sでロケットカウルを付けたバイクを作ったことがあって、それを見てこれは今後カフェレーサーブームが来るんじゃなかろうかと(笑)。で、このデモカーを作ってどんな受けをするのか見てみたら意外とダメだった」
正直な人だ。豪快に笑い飛ばしながら話す氏に釣られて思わず吹き出しそうになる。でも、そのダメな基準が如何ほどかは知らないが、このカフェレーサースタイルには昔から根強いファンがいて、今も日本だけじゃなく世界の各国で増殖中だ。そしてきっと、このインディゴカスタムサイクルが作ったマシンならば彼らの琴線に触れることだろう。
「大変だった箇所はそんなに無い」と、またしてもフランクに話す氏は、極力コストをかけずにお客さんの予算内でベストを尽くすことを大前提に考えると言う。お金を掛ければ良いバイクが出来るのは百も承知。しかし皆予算は限られているから、その中で純正パーツを流用加工したり、コストを抑えるためにワンオフしたりと、既製品とワンオフ、価格とクオリティというそれぞれの帳尻を合わせながらフィニッシュへと突き進むわけだ。
さて、一連のインディゴ流哲学を知った上でこのマシンを見ても、ひょっとしたらまだワンオフを多用したマシンに映るかもしれないがさにあらず。そのスタンス通り、既製品を効果的に使ったうえで、必要に応じてワンオフで対処した一台である。
フロントフォークと前後ホイールは純正で、ハーフカウルとセパハンはGOODS製。タンクに目をやると、CB50をベースに加工したとのこと。そしてこの国産タンクを使った手法は同店の得意技だったりもする。シートカウルはSTUDS製を加工して装着、ステップ周りを見ればブラケットとステップに純正を使い、技術を要するリンケージ周りはワンオフだ。なるほど、確かにどのパートも同店の哲学を投影したカスタムマナーが踏襲されている。
既製品とワンオフの饗宴。簡単なようでハードルの高いこの手法は、やはり豊富な引き出しの数と、高度なバランス感覚あってのもの。旨い多国籍料理を出す店は、視野が広く無ければ成り立たない。
HARLEY-DAVIDSON XL883C 2004 DETAIL WORK
HALF COWL
ハーフカウルは大阪のGOODS製を選択。ブラックとグレーのソリッドなペイントワークで渋みを増す。
HANDLE
ハンドルも同じくGOODSを装着。パーツチョイスや必要に応じたワンオフに同店の柔軟なスタンスが現れる。
GAS TANK
タンクはホンダCB50をベースに加工したもの。国産タンクの流用は得意技である。また車種の選択幅も広い。
FOOT CONTROL
フットコントロールはステップとブラケットは純正でペグはワンオフとなる。マフラーは鉄で仕上げた一品物。
SHIFT CONTROL
右側と同じくステップに純正を使いバックステップ化に合わせてリンケージはワンメイク。綺麗に処理される。
SEAT COWL
ツートンのスキャロップのグラフィックが効いたシートカウルは福岡のSTUDSオリジナル品を使用する。
BUILDER’S VOICE
INDIGO CUSTOM CYCLE
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