YAMAHA XS650 SPECIAL 1981
ROCKET MOTOR CYCLE
横乗りで厚みを増す
ライディングセンス
ロケットモーターサイクル代表の星さんの愛車である。公道車ではなく純レーサー。LOC(Legend of Classic)という旧車レースに出走するたんびに表彰台の真ん中を飾って来たマシンだ。
まず、このLOCのレギュレーションについて端的に説明したい。参加車両は原則、’72年までに生産された車両だけど、同じ型式でそれ以降も生産され続けたものは主催者の判断で参加OK。で、メインどころは、『参加車両は現役当時のレースシーンの再現を念頭に置いて、その時代に合った車両を完成させること』。つまり、現代の技術でカリッカリに仕上げたマシンで競い合うわけではない。まあとは言え、全国のレースファンに知られた存在のLOCは、旧車レースの花形ではあるんだけど。
そこで、この1981年式ヤマハXS650スペシャルである。継続生産されたモデルだからこの年式でも大丈夫なわけだが、それより何より、とにかくこれまでの戦績が華々しい。氏が本格的に出走を始めたのは2012年のこと。そこから2014年までの3年間はみっちりエントリーしてきたそうだが、’12~’13年は出たレースすべてが一等賞である。草レース的色合いが強いものの、その中にはもちろん現役を引退した本気のレーサーだって混じってることだろう。無敵のタイトルホルダーなんてそう易々と手に入るものじゃないはずだ。
「まあレベルがあれなんで(笑)。走らせることに意義があるといったレースだから、速さやテクニックを競うというのではないんですよ。ずっと若い頃は夢中でしたけど、今はもうそんなに(笑)」
サクッと謙遜するが、サーファーにしてスケーター。しかもショップ裏にプライベートなスケート用プールを作ってライディングを楽しむほどのスキモノな、氏の図抜けた身体能力あればこそだろう。
さて、バイクである。エンジンは750ccにボアアップされ、前後ホイールは19/16から18/18へと変更。これは、リアが16インチだと好みのタイヤが無いからで、一方フロント18インチはコーナーリング性の向上を期待してのものだと言う。
レギュレーション上触れる箇所は限られているが、その中でもフォークがしっとり可動するようダンパーホールを小さくして固めのオイルを入れたり、XSとSR用のシングルキャリパーを左右ダブルで装着したりと、厳格な制約の中でも最大のパフォーマンスが発揮できるような手が加えられている。
「最近は忙しくて全然出てない。でも今年は走ろうと思ってる。まずはマフラーを集合にするところからですかね」
店の入り口付近にディスプレイされたXSレーサー。数年動かしてなくても、埃は少しも被っていない。
YAMAHA XS650 SPECIAL 1981 DETAIL WORK
FRONT WHEEL
フロントは19から18インチへ。キャリパーは右側のXS用と左側のSR用のシングルをダブルで装着する。
GAS TANK
レーサーゆえシンプルな造形にワンオフしたガスタンク。ステッカーは店にあったと言う横乗り系を貼付。
ENGINE
エンジンは650ccから750ccにボアアップ。キャブはレギュレーション上旧車テイストなCRキャブをセット。
FOOT CONTROL
使い込まれた風合いのフットコントロール。ステップは既製品を使い、ベースプレートとロッド類はワンオフ。
MUFFLER
レーシングマフラー特有の迫力あるサウンドを吐き出すメガフォンタイプ。今後は集合化する予定だとか。
SEAT COWL
シートカウルはハーレーのFXタイプ、ファットボブフェンダーを全体のラインと合うように流用加工する。
BUILDER’S VOICE
ROCKET MOTOR CYCLE
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