HONDA CB750FOUR 1971
MOTOR ROCK
5クラス完全制覇の
フィードバックカフェ
日本が世界に誇る金字塔をぶち立てた名車である。ホンダ・ドリームCB750FOUR。またの名をK0(ケーゼロ)と呼び、1960年代の世界グランプリでまさかの5クラス完全制覇の偉業を成し遂げたホンダの技術の結晶をフィードバックさせたバイクである。
なにせ名前が良い。夢(ドリーム)のCB750FOUR。ネーミングセンスの良い悪いなんかは問題じゃなくて、そこには当時の開発陣の純粋な想いが現れている。そもそもこのバイクは国内ではなくアメリカ仕様として製作されたもので、ライバルのトライアンフやBMW、ハーレーといった並みいる強豪に対抗するキラーモデルとしてリリースされた。そしてその結果はご存知の通り、バイクファンなら誰もが一度は聞いたことのある不動の存在たらしめているわけだ。
そんな当時のホンダの夢に手を加え現代に蘇らせたのは、名古屋のモーターロック。1971年式のCB750FOURは米国西海岸から輸入したもので、カフェレーサーにして欲しいとのオーダーを受けカスタムされた。そこでビルダーの片桐さんに代わり、マネージャーの小林さんが話を進めてゆく。
同店が触った箇所はフロントとリアカウルぐらいだと言う。他はオーナーの持ち込みパーツで構成し、わずかな手数で最良のフォルムを入手している。無理のない自然なスピードフォルム。ワンオフのスペシャルパーツを駆使しなくともこの存在感を放つのは、やはり作り手の腕によるものだろう。
吊るしのフロントカウルは両サイドのハンドル可動域をカットして装着。また、ステーをワンオフすることで狙い通りの位置に収めている。そしてリアカウルはSR用をベースにしたもので、レーシーな4 in 1マフラーとの相乗効果も手伝い、どこか当時のグランプリレーサーを偲ばすリアビューを演出している。
前後ホイールは純正とし、ステップは70’~80’年代にかけて人気を博した伊国タロッティのバックステップをセット。シートと塗装は、ヨーロッパのラグジュアリーカーを販売するオーナー自らが付き合いのある業者に依頼したものだ。余談だが、このバイクはそのオーナーが経営する店の10周年にちなんだもので、マセラティやフェラーリが並ぶ同じ空間でディスプレイする予定もあるとのこと。
なんとも痛快な話だ。イタリアの誉れ高きラグジュアリーカーと、時代を経ても尚色あせることのないドリームCB750FOURの饗宴。ジャンルは違えど世界最高峰のモデルが会すその場に、かつてホンダ開発陣が見たひとつの『夢』が置かれるというその光景を思い浮かべるだけでも感慨深い。
もちろん、ノーマル車ではそうはいかない。フロントからリアにかけての機能的なラインに、心得た感性によるシンプルなカラーリング。このマシンだからこそ、その情景が鮮やかに目に浮かぶ。
HONDA CB750FOUR 1971 DETAIL WORK
FRONT COWL
汎用のフロントカウルをベースに、全体のラインを崩さずに両サイドをカット。スクリーン長も調整される。
GAS TANK
タンクは純正をそのまま使用。フレークを取り入れ、色数を抑えたペイントワークがエレガントな雰囲気を醸す。
SEAT
シートはオーナー自身が知り合いに依頼して持ち込んだワンオフ。このカスタムにはそうした部位が点在する。
BACK STEP
バックステップは70’~80’年代に人気を集めた伊国タロッティ製。機能美と呼ぶにふさわしい無駄のない造形だ。
MUFFLER
オーナー持ち込みのマフラーはストックの4 in 4から4 in 1とされる。カフェスタイルにはベターな選択である。
REAR COWL
リアはSR用をベースに利便性を考慮してモディファイ。テールに配したアルミのオーナメントがアクセントに。
BUILDER’S VOICE
MOTOR ROCK
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