YAMAHA SR500
FLOCK MOTORCYCLE
自分でペイントも行った
旅情をかきたてるSR500
変幻自在に姿を変える、カスタムベースに最適なヤマハSR。しかし、ノーマルで乗っても際立つ存在感を放つことから、実に幅広い層に愛され続ける車種でもある。その誕生は1978年で、現在に至るまで35年以上の長きに渡り第一線を走るモデルだ。そして今回、カスタムベースに選ばれたのは2000年で惜しまれつつも生産が終了したSR500。フルノーマルの状態からご覧のB級テイストを醸すチョッパースタイルに変貌を遂げた。
茨城県古河に店を構えるフロックモーターサイクルの後藤さんにとって、この一台は自分の街乗り用であり、デモ車的存在でもあるそうだ。
「自分が初めて手に入れたバイクがSRだったんです。それで、これは1、2年前に手に入れた500で、うちのショップのデモ車といったらあれなんですけど、カスタム以外にもこんなことが出来るというのをアピール出来るかなと。例えば、シートだったらベースを作って革は知り合いの外注さんにお願いするんだけど、こういうのも作れるというのが伝えられる。ペイントに関しては外の専用ブースで自分が塗ってるからそれも知ってもらえますし」
前方にほど良く伸びたフロントフォークと、高めに設計されたシーシーバー。’70年代のB級テイスト・チョッパーをイメージしたというスタイルに仕上げられた。
フロントフォークはノーマルを使いながらジョイントキットで8インチオーバーとされる。そして、このチョッパーの個性となるシーシーバーは、トップのツイステッド加工が施されたクラウン(王冠)部にオールドパーツを使い、その下はワンオフで製作。そのままフェンダーステーとつなげて一体化させている。
また、よく見ればリアホイール径も変更されているのが分かるだろう。18インチから16インチへ。これは、SRにもハーレー用などの他車種に使う太いタイヤが使えることをアピールしたかったためだ。こうした引き出しは、ハーレーやホンダCBなども扱う同店ならではの着眼点だと言えよう。
実際に跨ってみると、ライディングポジションにかなりの余裕がある。手を伸ばしたすぐそこにプルバックハンドルがあり、腰を落としたシートは肉厚でフカフカ。ハイウェイバーも装着されて、街乗りのみでなくロングランも快適にこなせる仕様である。また、フロント周りにはコンパクトな社外ヘッドライトを付けるのではなく純正品をそのまま採用。ウインカーにはそのライトとのバランスを考慮してスズキGS400製を流用して、野暮ったくも通を唸らすスタイルが与えられた。
シーシーバーに括りつけた荷物を連想させ、どこか旅情をかきたてるフロックモーターサイクルによるSR500。必要以上の手を加えることなく、しかし、同店のデモ車的要素も含んだB級チョッパーだ。
YAMAHA SR500 DETAIL WORK
HANDLE
操作性の高いプルバックハンドルはたまたま店内にあった物。ノーマルのメーター回りが逆に新鮮だ。
FRONT FORK
フロントフォークは8インチ延長。ショートタイプのフェンダーとフォークブーツがアクセントになる。
GAS TANK
ノーマルのタンクに塗られた’70年代を思わすペイントワーク。ペイントもフロックMC自ら手掛けている。
SEAT
シートベースをワンオフで作り、知り合いの手縫い屋で革を貼ってもらう。肉厚で弾力があり座り心地は良好。
FENDER STAY
丸棒のフェンダーステーはシーシーバーと一体になる。大きめのウインカーはスズキGS400用を使用。
MUFFLER
マフラーにはヴィンテージトランペットを装着。このチョッパーの雰囲気に合うパーツチョイスである。
BUILDER’S VOICE
FLOCK MOTORCYCLE
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