HARLEY-DAVIDSON XL1200S 1998
HOLLIDAY GARAGE
シンコー190で攻める
スーパーストリート
ハーレーのドラッグレースを主催する団体、V.D.A(V-Twin Drag Association)。このレースに参戦し、公道でも走るリアルなストリートドラッガーを手掛けたのは、埼玉県川越市にあるホリデーガレージだ。
1998年式XL1200Sは当初街乗りで使っていたが、興味を持って参加したドラッグレースを機に、エンジンからエクステリアまでをすべて一新。今や気軽にツーリングへ行くのも躊躇する、カリッカリのレーサーにメイクされた。
「ドラッグレースで重要なのは車体。エンジンもそうだけどスタートを速くするには車体がポイントだというのをやってみて知った。実際に現場で、『ああでもないこうでもない』を経て今の形になっています」
スイングアームの長さと、タイヤの太さ。スタートダッシュの良し悪しを決定付ける重要なファクターである。タイヤはこれまでの戦線を通じてSHINKOのHOOK UP For Dragは譲れない選択だった。そして、そのままではリアに17インチ・190ワイズのタイヤを装着出来ないため、幅を広げたスイングアームをワンオフで製作した。
また、このスイングアームはタイヤの固定箇所を変えられる可変式となり、試行錯誤の末今の位置に落ち着いたものだ。「最初はどの位置が良いかなんて分からないんですよ。前過ぎるとウイリーするし、後ろ過ぎると今度はホイルスピンしちゃう。手探りでなんとかしていきました」。
フロントフォークはノーマルをベースに内部をモディファイ。レースでは伸びないことが肝心となるので、伸長を抑えるための手が入れられた。そして、このマシンでエキサイティングな部位の前後連動ブレーキを見ていきたい。
フロントレバーを引くとリアブレーキも効く設計で、ウイリーバーを付けないポリシーを持つホリデーガレージならではのアイデアカスタムである。要は、リアブレーキのオン/オフを4輪車用のバルブの開閉で対応するというものだ。これは4輪ドラッグレースで、バーンナウトをする時にラインロックというタイヤを止めておく時にも使われ、他にも、サイドブレーキの無い古い車も代用するなど幅広いシチュエーションで用いられている。
同店が参戦するドラッグレースは、過給機やNOSといった補助装置無しの自然排気クラス。その名もスーパーストリートクラスで、そこさえ押さえていれば自由な改造が認められている。「街乗りも出来るように。ウイリーバーは自分的にちょっと違う」という、あくまでもストリートにこだわるホリデーガレージにとってはベストなレギュレーションだろう。そして、言わずもがな、そこでの覇者がストリート最強である。
HARLEY-DAVIDSON XL1200S 1998 DETAIL WORK
ENGINE
Revolution Performanceモンスタービッグボアを組み込み1470ccに。ヘッドはツインプラグ加工が施される。
FOOT STEP
レーシーな肉抜きが施されたステップ周り。オリジナルの前後連動ブレーキの設定でペダルレスとなっている。
AIR SHIFTER
ドラッグレースではお馴染みのピンゲル製エアシフター。オートマティックなシフトチェンジが行われる。
BRAKE VALVE
4輪車用のバルブを使いリアブレーキのオン・オフを操作。フロントレバーに連動してブレーキングされる作り。
REAR FENDER
ルーバー入りフェンダーはたまたま店にあったサンダンス製を流用。作り手によって雰囲気がガラッと変わる。
SWINGARM
リアのアクスルシャフトの固定位置が可変式なのが分かるだろう。何度も調整を繰り返して位置決めされた。
BUILDER’S VOICE
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