HARLEY-DAVIDSON FLT 1980
ANGEL DUST
現物から点火した
往年のスタイルへのオマージュ
研ぎ澄まされたトライアングル型フレームに、カチ上がったフロントエンド、これ以外無いであろうフラットフェンダーとシッシーバーのリア周り。混じりっ気なしのFRISCOスタイルである。しかも製作は、わき目も振らずこの手のチョッパーと対峙し続けてきたエンジェルダスト。
昔からのFRISCOファンの間では知られた存在の、1980年式FLTがベースのマシンである。2001年のハーレーオンリーのカスタムショー『クールブレイカー』でデビューを飾って以来大きな変更はなく、今でもバッキバキに都内の夜を駆け抜けるストリートフラッシュだ。
早速、製作に当たっての話を代表の佐藤さんに聞くと、元々は海外アウトローMCのバイクがモチーフになっていると言う。「20年前ぐらいになるんだけど、車両を探してた時に某MCのバイクが売りに出てた。当時のMCカレンダーにも載ってたやつね。それを買ってきてうちで扱ってたことがあったんだよ」。
オーナーの希望でそれをイメージソースに作業は進められた。まず、上方にシュッと伸びたフロントフォークである。分厚いパーツカタログをめくり目の留まった35φの8インチロングキット。欲を言えば10インチは欲しかったが当時最長だったそれを入手して、ストレッチさせたフレームに装着。ハイライザーとドラッグバーの王道的セットアップでフロント周りは固められた。
タンクも直球勝負だ。とりわけ特別なパーツを使ってるわけではなく、スタンダードなスポーツタンクのアンダーパネルを貼り直してハイマウント化し、ガスコックとキャップ位置を変更している。そしてペイントは埼玉県川口のドレスアウトが担当し、『トランプのキングをスカルに』というオーダーを忠実に再現。アンダーパネルにもグラフィックが入る徹底ぶりである。
「あとはミッドペグが高い位置にあるというのも彼のこだわり箇所なんじゃない。足が痛かろうがあれで乗るでしょ。でも俺には無理だよ、もうオジサンだから(笑)」
フロントエンド同様に、足がカチ上がったポジションを生むミッドハイのステップ然り。FRISCOスタイルのカスタムマナーはすべてにおいて踏襲され、その上で独自性を打ち出すのがエンジェル流だ。
「本人の中で『これ!』というのがあるからその都度指定が入る。シッシーバーだったりテールライトの真裏のナックルなんかもそう。でも結局それがダメだったから俺が作り直したんだけどね(笑)」
走るチョッパー。この手のスタイルは乗り手が跨って初めて完結するものだ。その点こちらのマシン、オーナーがひとたび走り出したその姿はマシン単体よりも圧倒的に絵になることを付け加えておこう。
HARLEY-DAVIDSON FLT 1980 DETAIL WORK
HANDLE
オーナーが買ってきたハイライザーとドラッグバー。ハンドルはいろいろ自分で試すべし!が同店のモットー。
FRONT FORK
35φの8インチオーバーのフロントフォークは上方にカチ上げられる。タンク下には稲妻のグラフィックが入る。
GAS TANK
汎用スポーツタンクのアンダーパネルとガスコック、キャップ位置を加工。ペイントはドレスアウトが行う。
FOOT STEP
FRISCOスタイルの真骨頂、ステップ位置は当然ミッドハイである。ハンドシフトのチェーンがポイントだ。
MUFFLER
市販品はそのまま付くことが無いのでまずぶった切るとのこと。パウコベースのマフラーをマウントする。
SISSY BAR
角パイプを使ったシンプルなシッシーバー。テールライトの裏にはナックルのアクセントがさり気に付く。
BUILDER’S VOICE
ANGEL DUST
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