ハーレー ショベル FXS 1978のチョッパー

HARLEY-DAVIDSON FXS 1978
CRIB MOTOR CYCLE

September 16th, 2016

着せ替え仕様の
ボルトオン・ハードテイル

前後21/18インチホイールからなる1978年のFXSローライダーがベースである。瞬時に、「えっ!?」と感じたファンもきっといることだろう。そう、あのサス付の名車ローライダーの面影はサッパリと取り払われ、ご覧のチョッパーに変貌を遂げたのだ。

一見すればリジッドフレーム。しかし注意深く見直すと、4速フレームにハードテイルを取り付けた仕様だというのが分かる。ボルトオンのハードテイル。これが今回のカスタムテーマだ。

ハーレー ショベル FXS 1978のチョッパー

クリブモーターサイクルの小川さんは、もともとサス付きの4速フレームでチョッパーを作ろうと思っていたそうだ。しかし、付き合っていくうちにサス付きに飽きてしまい、やっぱりリジッドフレームにしようかと考えていた時である。「ここで買い替えるのは負けたようでなんか嫌だった。だったらボルトオンハードテイルでカッコ良くできれば良いんじゃないのって。悔しいからなんとかしたかった(笑)」。

ボルトオンでリジッドライクなスタイルがキマれば、もし、またサス付きに戻したくなっても問題はない。逆にリジッドフレームの場合は無理だけど、4速フレームなら一粒で二度おいしい的な選択が出来る。俄然やる気の高まった小川さんは、早速作業に着手した。

ハーレー ショベル FXS 1978のチョッパー

リジッドフレームが最も映える黄金比的トライアングル(三角形状)を出すべく、シート下のフレーム高を落として幅を細くするためにすべてをリメイク。そして、この箇所を作り直したため市販品のハードテイルが付かなくなったのでワンオフで製作し、センターを出してフィニッシュされた。

4速フレームに果敢にチャレンジしたからこそ実を結んだ、見るもスタイリッシュな一台である。小川さん自身の愛車であるFXSローライダーは、こうした新たな課題を突破するための実験台的な側面も持ち、そこで得た体験をお客さんへとフィードバックしている。そしてこれにより、説得力のあるアドバイスが可能となるのだ。

ハーレー ショベル FXS 1978のチョッパー

ちなみにこのチョッパー、先ほどの『一粒で二度おいしい』的発想にもつながるのだが、この状態でずっと乗っているのではなく、その時々の気分で外装を変えるそうだ。ある時はドラッグバーで、別の日はエイプハンガー。タンクやシートも数種類を使い回していると言う。小川さんの言葉を借りれば、『着せ替えチョッパー』。意表をつくアイデアだが、実はこれも彼の、「バイクを乗り換えずに楽しんでほしい」というメッセージの現れなのだ。

ハーレー ショベル FXS 1978のチョッパー

「一回買っちゃったから意地でもカッコ良くしてやろうって。肝心なのは4速フレームをあきらめないことですね(笑)」

せっかく買ったバイクだから長く乗りたいし、お客さんにもそうして欲しい。クリブの手掛けるカスタムは、深い。

HARLEY-DAVIDSON FXS 1978 DETAIL WORK

ハーレー ショベル FXS 1978のハンドル

HANDLE

ドラッグバーとストレートライザーのスタンダードな組み合わせ。拘りはなくその日の気分で替えるとのこと。

ハーレー ショベル FXS 1978のガスタンク

GAS TANK

ワンオフのスポーツタンクは先輩のLOVE EAR ARTがペイント。クラック塗装がなんとも良い雰囲気だ。

ハーレー ショベル FXS 1978のシートレイル

SEAT RAIL

シート下のフレーム部分、シートレールは全部カットされ作り直された。高さを落として幅が詰められている。

ハーレー ショベル FXS 1978のハードテイル

HARD TAIL

最大のポイントになるワンオフのボルトオンハードテイル。違和感ないリジッドライクなフォルムを形成する。

ハーレー ショベル FXS 1978のマフラー

MUFFLER

攻撃的なショットガンは店にあった物を有効利用した部位。錆を伴ったマウント部の荒々しい処理が乙だ。

ハーレー ショベル FXS 1978のシッシーバー

SISSY BAR

シッシーバーは店に転がっていた材料を使い簡素に作ったもの。汎用フェンダーにはメッキ処理だけ施された。

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