ヤマハ SR400のカスタム 2002年

YAMAHA SR400 2002
BRAT STYLE

August 20th, 2016

ボルトオンパーツで実現可能な
ダートトラッカースタイル

今や国内のみならずアメリカ・ロサンゼルスにも拠点を置き、ワールドワイドに活躍するブラットスタイル。このダートトラッカースタイルのSRは、同店が昔から得意とするいわば十八番(おはこ)的カスタムである。そしてこのバイクのポイントは、実際にダート上を走るトラッカーを忠実に再現するのではなく、ストリート仕様のバイクに落とし込んでいる点だ。

製作を担当した代表高嶺さんの右腕的存在の、東京店の店長を務める三枝さんはこの手のトラッカースタイルは得意だし大好きだと言う。

ヤマハ SR400のカスタム 2002年

「男前というか、ちょっとレーシーな雰囲気が出せるところも魅力。イメージしたのは古いダートトラックのマシンを、ストリートで日常の足としてラフに乗っている感じです」

1990年代半ばに一世を風靡したトラッカーブームは終焉を迎え、以後はスキモノ達にのみ愛され続けてきたトラッカースタイル。チョッパー好きがチョッパーを乗り続けるのと同じように、今も尚、ファンの間で根強い人気を誇っている。

ヤマハ SR400のカスタム 2002年

ノーマルから姿が一新されたSRだが、実はワンオフパーツを駆使したフルスクラッチのカスタムバイクではなく、そのほとんどはボルトオンパーツで構成されている。しいて言えば、シートレールとループ加工にプロの手が入っている程度で、その他の部位は同店オリジナルのパーツで固められている。とは言え、もちろん、唯一手を入れた部位は簡単には真似の出来ない別格の仕上がりを見せてはいるのだが。

「タンク下からシート下までのシートレールをきれいな直線ラインにするのが大変だったというか、気を遣った。あとはシートも少し短めにしていて、一人で乗っている姿がカッコ良く映るようにバランスを取っています」

時代の潮流に関係なく、何十年にも渡り進化を重ね手がけてきたダートトラッカースタイル。当時の焼き直しではなく新たにストリート仕様に落とし込むなど、このスタイルの本質を熟知している同店だからこそ、開発したオリジナルパーツの完成度も他の追従を許すことは無いのである。

ヤマハ SR400のカスタム 2002年

前後ショックはフロントがストックをローダウン、リアにはオリジナルのショートサスを装着。そしてハンドルやタンク、フェンダー、マフラーなどもすべてオリジナルパーツで武装されている。このように、外装は市販パーツを使えば実現可能で、シートレールとループ加工を除いて、同店のパーツ一式を揃えるとほぼイメージ通りのダートトラックスタイルを手に入れることが出来るわけだ。

イチからすべてを作り上げるフルカスタムもやれば、それとは対極にある、オリジナルパーツで構成したボルトオンカスタムも展開するブラットスタイル。その懐の深さと、何よりも均整の取れた完成形に惹かれて、ファンは後を絶たない。

YAMAHA SR400 2002 DETAIL WORK

ヤマハ SR400のフロントフォーク

FRONT FORK

フォークはノーマルをローダウンし、ライトは4.5インチのベイツタイプ。ウインカーは社外のバネットウインカー。

ヤマハ SR400のハンドル

HANDLE

ストックのライザーにハンドルはオリジナルのローボバー・バー。グリップにはジャックハマーを選択。

ヤマハ SR400のガスタンク

GAS TANK

オリジナルのナロータンクには落ち着いたブラウンカラーをペイント。ジェントルな雰囲気が醸し出されている。

ヤマハ SR400のシート

SEAT

唯一プロの技が発揮されたシートレール周り。オリジナルのナローシートは若干ショートカットされ調節されている。

ヤマハ SR400のマフラー

MUFFLER

同店のアイコン的存在の人気商品、スリップオンメガホンマフラー。エンド部にショップロゴが誇らしげに刻まれている。

ヤマハ SR400のリアビュー

REAR VIEW

美しい仕上がりのループ加工を施したリア周り。フェンダーにオリジナルのブリティッシュフェンダーをセット。

BUILDER’S VOICE

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