HARLEY-DAVIDSON S&S PANHEAD
T-SPORT MOTORCYCLE
深夜まで明かりが消えない
練馬のハードワーカー
根っからバイク好きな店主が営むショップだ。ハーレーをメインに扱うものの、他の国産・海外メーカーの車種にも幅広く対応している。そして、このTスポーツ・モーターサイクルはカスタムバイクに重点を置いたショップというわけではなく、車両の修理・販売も同等にこなす、地元に根付いたバイク屋さんである。
店主の久保さんはとにかくハードワーカーだ。その日の営業が終わるのはいつだって日が変わってからで、店内に溢れた車両を一台ずつテキパキと片付けてゆく。その手際の良さは目を見張るものがあるのだけど、それ以上に作業待ちの車両が多いものだからいつまで経っても息つく間がない。つまり、それだけ沢山のバイク乗りが彼の腕を頼って足を運んでくるわけである。
このパンヘッドのオーナーもそのひとりで、周りの友人がチョッパーに乗る姿に感化されてTスポーツにカスタムを依頼。何枚かの写真を久保さんに見せてイメージを相談した後に、作業は進められた。
友人のチョッパーの雰囲気に合わせて『ビンテージ風』を指針にして、純正フレームにS&S製の1200ccエンジンを搭載。フロントはレイトショベルに採用されていたφ35フォークにワンオフのハンドルを装着した。そしてリアは、フラットフェンダーとスクエアパイプを使ったシッシーバーの王道的セットアップでまとめられている。
必要以上に手を加えることなく、シンプルかつバランスの取れたフォルムに仕上げられたチョッパーだ。「ウチに来るお客さんが見たときに、『カッコ良い』と感じてくれるものにするのは絶対だった」と久保さんは言う。
また、同店がバイクを触る上で気を付ける箇所は、『走るバイク』である。普通に走るのはごく当たり前のことで、そこにプラス、『気持ちよく』走るための要素が加えられる。そのために、店主自らがバイクに乗り、そこで得た体験をフィードバックさせているのだ。
「ストレスなく走るバイクが絶対条件。今回作ったバイクと似たようなフレームとブレーキ周りが付いたパンヘッドを去年自分でも乗っていた。それで北海道や九州へ行ってみて感じを掴んでいたので、このバイクにもその辺の経験を生かしてます」
作り手自らが長距離を走る店は信頼度が高く、説得力もある。そして、遠出をしたときのトラブル体験は、バイク製作にそのまま生かされているのだ。
「出先でバッテリーがダメになることってあるけど、そんな時でも大丈夫なように、ホームセンターですぐ手に入るようなものを積むようにしてます。作るときに気を付けるのはそういうところですかね」
長距離を走るときは腕と足がわずかに上がっている状態がラクだという理由で、このチョッパーにもそのポジションが与えられている。こうした見てくれのみならず、実際に自分でも走る店主だからこそ行き届いたバイク乗り目線の数々が、同店の強みであろう。
HARLEY-DAVIDSON S&S PANHEAD DETAIL WORK
FRONT FORK
フロントフォークはショベル後期からEVOの前期まで採用されたφ35フォークを装着。ナロー幅がよく似合う。
GAS TANK
コンパクトなマシンサイズにジャストなピーナッツタンクをマウント。シンプルなラインが大人の雰囲気を演出。
ENGINE
S&S製の1200ccニューモーターを搭載。パンヘッドながらその信頼性は当然高く不安のない走りを約束する。
SEAT
当時のデザインを見事に再現しつつ、現代の手法で仕上げたシートはカスタムシートショップのスカンクによるもの。
FOOT STEP
丸棒を曲げたステップがこのチョッパーと抜群の相性を見せる。そしてシフトチェーンが雰囲気を盛り上げている。
MUFFLER
作り込むのではなく既製品をさらりと装着したアップスイープ・トランペット。間違いないパーツチョイスだ。
BUILDER’S VOICE
T-SPORT MOTORCYCLE
住所 | 東京都練馬区錦2-12-17 |
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電話 | 03-3931-0410 |
SHOP | T-SPORT MOTORCYCLEのショップ紹介 |
営業時間 | 9:00~19:00 |
定休日 | 土曜日 |