H-D EARLY SHOVEL 1966
COSMIC
選択と配置でととのえる
指南役のガレージビルド
「お客さんが中古で見付けてきたアーリーだね。そのお客さんの意見を取り入れてああいう風なカタチにした。俺が塗装とかもして、模様描いたりしてさ(笑)」
‘66年式アーリーショベルのオールドスクール。テクニカルなフリスコチョッパーで鳴らした仙台『コズミック』にしては若干毛色の違う一台は、オーナー主導のもと稼業は進められた。
いつもの技巧を凝らしたディテイルは影をひそめ、ガレージビルド感の漂うシルエットを形成。仲間と夢中で製作したかの体温の通ったチョッパーはしかし、一見荒削りな印象を与えつつも、やはりプロフェッショナルの『腕』が忍んでいる。
それを端的に言えば、『バランス』に尽きる。特別な加工箇所もなければ、希少なパーツを使ってるわけでもない。誰もが手にできる素材を使いながらも、おおよそ真似のできない次元でフィニッシュされたチョッパーは、このマシンバランスこそがすべて。ビルダー三浦さんの懐の深さはいつにも増して冗談がきつい。
スプリンガーフォークは最初から付いていた74タイプで、ハンドルは既製品をそのまま装着。表面に浮き出たサビは自然の産物だが、他の部位はオーナー自らヤスリで磨いてエイジング。光り輝くパーツの類は一掃された。
マスタングタンクも既製品を使い、リアフェンダーも同じく一般的なフラットタイプ。マフラーにしても元々所有していたエキパイに、デッドストックのサイレンサーを合わせただけだと言う。
「とにかくあった物を使ってこういう感じで良いんじゃないって。ほんとなんかガレージビルド感覚だよね(笑)。ただやっぱり取り付けとかはさ、極端な話すればあれに凄い長いライザーは似合わないだろうし」
バランスを見ながら考えて付けていくのは当然のこと。そしてそこに、キリッと刺激的なスパイスを投下。タンクに描かれたフレイムスは外注のペインターではなく、珍しいことにビルダー三浦さんの仕事だったりする。
「ガレージっぽさがどうのとかじゃなくてその場のノリ(笑)。元々こういうフレイムスがちっちゃい時から好きで、ホットウィールのおもちゃ見て小学生ぐらいから落書きして遊んでたんだよ」
有り物を使うにしてもそこでの部品のチョイスは必須。また、『こういう風にしたらカッコ良くなる』というのを常に考えて手も動かす。作り込みで圧倒するでもなく、さかのぼれば、小学生から培われた早熟の感性がものを言う。
HARLEY-DAVIDSON EARLY SHOVEL 1966 DETAIL WORK
HANDLE
既製品のハンドルとカニライザーのコンビネーション。表面のサビはエイジングではなく自然発生したもの。
FRONT FORK
中古車で入手した当初から付いていた74タイプのスプリンガー。タイヤにはホワイトウォールを履かせる。
GAS TANK
マスタングタンクは特別な加工をしないで上手くフィッティング。ペイントはビルダーの三浦さんが担当。
ENGINE
アーリータイプのショベルモーター。全体的にくすんだ質感とフットステップの荒い作りが一体感を見せる。
MUFFLER
ショベル用のエキパイにデッドストックのトランペットを合わす。マウントを製作してバランスを取って設置。
SEAT
ソロ&ピニオンシートは宮城県のジミードープ製。シッシーバーやテールライトは装飾を廃したシンプルなもの。
COSMIC
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