H-D FLSTFB 2011
S・PROUD
奈良県オールスターズ
白妙のペイントリレー
「奈良県民ということで、県内の3名のペインターとウチのコラボで一台を作ってみようというところから始まってます。私の方から白をイメージしたものを皆でやりたいと。そこからアイデアをいろいろ出していきました」
エスプラウド代表の市田(いちだ)さんの呼びかけで始まったプロジェクトは、第一線で活躍する3名のペインターとスクラムを組んで幕を切った。飴色塗装店、エアブラシTOMOHIRO、ピンストライプSHOという錚々たる顔ぶれが揃ったその仕事は、『色』を生業にするプロフェッショナルの饗宴なだけに、ひと筋縄ではいかない。
「僕らのイメージでハーレーというとどうしても黒のイメージが根強い。そこで綺麗な白を使ってバイクを作りたいというのがなんとなくあった。具体的にどうしたいというのは無かったんですけど、始まりはそこですね」
市田さんは更に、外装をカラフルに持っていくのではなく、単色で玄人受けする仕掛けを思い付く。白と黒をベースにして、白には白を、黒には黒を、である。
「飴色さんにまずベースの白を塗ってもらって、次にエアブラシTOMOHIROさんにリアルフレイムスと文字を入れてもらってます。そして最後に、ピンストライプSHOさんのところでピンストを描いてもらった」
タンクやフェンダーなどにパテでリブを入れた造形は飴色塗装店が担当。粗目のフレイクを使って全面を白に塗装した後に、前から後ろにかけて同色でリアルフレイムスと文字が入り、最終仕上げも同じく同色のピンストでドロウ。そしてこの、肉眼でも見極めが困難なほどの調和が、個々のプロフェッショナルたちによるプライドだ。
「大変だったのは、やっぱり工程を進めるごとにどういう風になるのかが分からない不安(笑)。だからみんなその都度ここに集まって、状態を確認して、次の人は一体どういう風に仕上げるのかって。僕らはそれをペイントリレーって呼んでたんですけどね(笑)」
近しい者同士にだけそれとわかる類の、理解と共感のようなものを経て初めて実を結ぶ一連のプロジェクト。奈良県に足場を固めるエキスパートたちによる本気は、つながりが強いからこその響きがある。
そして最後に。プロデューサー的役回りを演じたエスプラウドのブレーキパッドに触れなければ嘘だろう。こうして外見に力を入れても、核心はあくまでも『機能』。既に全国のプロショップで評価されるそれは、下の動画で紹介したい。
HARLEY-DAVIDSON FLSTFB 2011 DETAIL WORK
REAL FLAMES
カウルの中央に極薄っすらと同色のリアルフレイムスが入れられる。いかに目立たず調和させるかがポイント。
FRONT WHEEL
フェンダーと同じくホイールの塗装も飴色塗装店が担当。得意とするキャンディを使ったパープルカラー。
GAS TANK
リブを入れた立体的な造形も飴色塗装店が行う。白字に描かれたパープルのピンストライプがひと際映える。
ENGINE
タンクと合わせてオイルタンクにもリブを入れる。アクセントのエアクリーナーカバーもキャンディで塗装。
REAR END
シッシーバーはグラデーション仕様に。フロントからの流れを受けてリアフェンダーもリブデザインとなる。
MUFFLER
白と黒をコンセプトに掲げたカスタム。ブラックアウトのマフラーには同色のピンストライプが入れられた。
WORK-SITE
S・PROUD
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