HAVE FUN!!(LIFAN 150cc)
GARAGE DUCK TAIL
アルミで引き離す
会心の溶接プライド
このバイクを語る前に、『HAVE FUN!!』の説明をしなければ先へは進めない。チーターカスタムサイクルズの大沢さんが発起人となって、「こんなエンジンでこんな風にしてみんなで遊んだら楽しいんじゃないの?」、と結成されたゆるめのサークルがそれで、何より『楽しむこと』を第一に掲げている点がポイントだ。
そしてここでは、そのメンバーであるダックテイルの渡邉さんのカスタムをフィーチャー。150ccのリーファン製中華エンジンを搭載したフルスクラッチの正体に迫っていきたい。
「まず作るからにはこれまでに無い物を作らないと意味がない。あとは昔からフラットトラックが好きな人にも見て唸って頂きたい(笑)。コンセプトはそんな感じです。フレームの作りはもう少しシンプルにもいけたけど、ちょっと変化を付けたかったんで」
飾りの無いレーシーなクロモリ製フレームワークに、アルミの外装を載せたギミック無しの真っ向勝負。鈑金やペイントで茶を濁せない、逃げ場のないシチュエーションにこそ渡邉さんの技は覚醒する。
「今はどのショップもアルミをいじれるんだろうけどその中でもボク得意だよって。スイングアーム作ったところもそうですよね。最終的に色を塗っても良かったんですけどせっかくアルミだからっていうところです」
根本的に、溶接技術が無ければアルミの場合は面を出すことが難しい。特にコフィンタンクなどその最たる例で、ここまで歪まず綺麗にまとめ上げる手練れは稀だ。本人が得意と言う以上に、物を見ればそれは一目瞭然である。
「まあこれがウチのプライドなのかなって。でも特別何か練習をしてきたわけじゃないです。ずっと本番ですから。もしあるとすれば、長年溶接やってるメーカーの仕事と比べてまだまだと思ってやってきたのが良かったんじゃないですかね」
加えて、感度の高い全体のデザインだ。走るために必要な箇所のみで構成された、足し算ではない引き算のボディシェイプには、手放しの『美』が宿る。しかもそれに全開をくれて疾走するロマンティックに、空気の一粒ずつが、光を含んでぴかぴかと呼応する。
「楽しく作って出来上がったらみんなでワイワイ乗りましょうって。全部そこなんですよ。だからベースにしたエンジンも負担にならないように低コストの中華製ですし。これからもこのレースを楽しんでいきたいですよね」
HAVE FUN!!(LIFAN 150cc) DETAIL WORK
FRAME NECK
クロスラインの見せ場を設けたフレームはクロモリパイプで製作。得意の溶接技術を駆使したフルスクラッチ。
GAS TANK
鉄ではなくアルミで作ったガスタンク。熱による歪みを押さえたフラットな表面処理にビルダーの腕を見る。
FRAME WORK
若干めんどくさいことをして変化を付けたというフレームワーク。全てのパートが無駄なく機能的に配される。
REAR COWL
フレームと誤差なくツライチで載るリアカウルもアルミでワンオフ。流れるシェイプがスピード感を醸す。
FOOT CONTROL
細部を見るほどに丁寧な処理が現れる。リンケージやステップ周りは質感の高いメカニカルな作りで構成。
SWINGARM
スイングアームもアルミを使ったワンオフ。フロントの繋ぎ目や各受け口などその仕上がりは至って自然だ。
BUILDER’S VOICE
GARAGE DUCK TAIL
住所 | 宮城県柴田郡村田町村田字松崎46 |
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電話 | 0224-87-8436 |
FAX | 0224-87-8437 |
SHOP | GARAGE DUCK TAILのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 火曜日 |