H-D FXR 1987
BOOTLEG
きわどく火を注ぐ
デンジャーゾーン
剛性の高さとライディング性能の良さで人気を博すFXRフレーム。そこに本来あるべきエボリューションエンジンではなく、最新のツインカムエンジンをセットアップしたモデルとしてフリークの間で礼賛される『ツインカムFXR』。製作したのは、この手のカスタムを触らせたら非凡な才を見せ付ける埼玉のブートレグ。
「簡単といえば簡単。大変といえば大変ですね。ソリッドマウントではないので構造を知ってないとエンジンが動いた時にどこが干渉するとかが分からないんで。それと後々外しづらくなるとか、そういうコツはあります」
店主の菊原さんに、コツの部分についてもう少し掘り込んでみると、まずステップ周りがそのままでは付かないという返答を得た。右側がダイナ用で、左のFXRのステップ周りはブラケットを加工してドロップする必要があると言う。そして他に、オイルパン。今回はデビアント製に換えてプレート補強を外さずに対応しているが、他にやり方としては、プレートを切って純正を付ける方法や、プレートを脱着式にするなどがあるそうだ。
「まあこの辺は慣れてますけど、結構みんな簡単に出来ると思ってるんですよね。でもそんなに手軽じゃなくて、カウル位置の調整だったり全体のバランスを出すのが何気に難しい。なかなかそういうんじゃないんですよね(笑)」
叩き上げのビルダーの本音だからこそコトの厳しさが身にしみる。ポン付けでキマるはずもなく、チョッパービルドと同様に、バランス感覚と、正面から向き合う時間がカギだ。
また、パーツひとつ組むのにも、全体を俯瞰できる視野の広さが欠かせない。単体ではなくトータルで勝負するために厳選したパーツの数々は、前後サンダンス製ホイールやパワープラント製のハンドル周りに始まり、純正タンクやフェンダーといったノーマル品も駆使される。
「カウルはフルゲイン製で、スイングアームはトラックテックの2インチオーバー。FXRって純正のままだとリアフェンダーとタイヤのピークラインが合わないんです。不格好なんですよね。だから2インチ伸ばして調整している」
この辺の詰めが同店の美点で、ラインを合わせることで完成度はグッと増す。そしてそれらが全体にそつなく行き渡っているためどこにも穴がない。ペイントこそゴールドだが、全体にシックで艶やかにまとめた大人のクルーザー。危うい雰囲気がまた、禁断の色気に火を注ぐ。
HARLEY-DAVIDSON FXR 1987 DETAIL WORK
HANDLE
ゴールドが差し色に効くライザーは国内正規代理店を務めるハリウッド発パワープラント製をセットアップ。
FRONT WHEEL
サンダンスENKEI19インチホイールにリンダル製ローターの組み合わせ。キャリパーはニッシンのラジアル。
CRASH BAR
デザインと実用性を両立したブートレグオリジナルのクラッシュバー。ゴールドの他に7色をラインナップ。
SEAT
シートもブートレグオリジナルの市販品。サイドカバーはネス製で、リアショックはODCの360mmロング。
MUFFLER
完成度の高さに感動したと語るマルマス&スターMCのコラボマフラー、ステン製ボンネビルスペシャルを装着。
REAR END
フェンダーは純正でストラットはカットレイト製。スイングアームにトラックテックの2インチロングを選択。
BUILDER’S VOICE
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