HARLEY-DAVIDSON XLCH 1969
FREE STYLE CUSTOM & CHOP
硬派にぶっ放す
ソルトレイクのダンディ
実際のところ、この’69年式XLCHは、当初撮影する予定じゃなかった車両である。が、薄暗いファクトリーにひっそり佇むそれは、とても素通りできない雰囲気がバンバンに出ていたものだから、急遽予定していた車両とスイッチ。ウォーミングアップすらしていない埃をかぶったピンチヒッターは急いでスタッフ2人の手で磨きこまれ、外に出してみれば予想通りのハンサムを見せ付けた。
「オーナーが、ソルトレイクをぶっ放すイメージで作ってくれってことだったんです(笑)。あとは極力シンプルに。だからその雰囲気で作ってますね」
端的な要望を、実にスマートに仕上げた一台だ。スピード感をまとったコンパクトなシェイプは、まさにそのイメージを体現している。
「他にはそうですね、’69年という年式にもオーナーはこだわりがあったんで、その年代のパーツをなるべく使うようにはしたかな。ホイールはボラーニのHリムを付けて組み上げてますし」
知り合いに無理を言って譲ってもらった前後21/18インチホイールに、全体のシルエットを特徴づけるリアセクションはハードテイル化。社外品をベースに使い、角を削り丸みを加えてリメイクしたものだ。
タンクとリアフェンダーにも同年代のヴィンテージを採用。英国ワッセル製ピーナッツタンクのトンネルを加工し、オーナーが望んだ位置にマウント。フェンダーも同じくワッセル製を探してきて、ボコボコだった状態を丁寧に修正し、リブを整えてフィニッシュしている。そして、そこに塗られた色味がまたダンディズムだ。ヴィンテージパーツゆえにエイジングペイントに走りそうなところを、逆に深みのあるキャンディブラックで塗装。この、狙い済まして薄い塗膜とした陰影が、大人の色気を盛り立てている。
「このバイクの場合、良いパーツを使ってるんで特別何をしなくてもカッコよくなりますよね。左出しマフラーにしたのも、右側はマグネトーとかがあって綺麗なラインを出せなかったからそうしただけだし」
店主山下さんは一貫して自然体だ。何を聞いても淡々と、誇張するでもなく、ありのままをダイレクトに説明する。そして大変だった箇所を尋ねても、別にないですよ、と屈託なく顔をほころばす。そんな氏の原点は、昔からブレることはない。
「この手のチョッパーだって得意なわけではないです。本当にいつもお客さんの要望なんで、ウチはそれに合わせて作る感じ。ハーレーだけでなくバイク全般が好きなんですよ」
HARLEY-DAVIDSON XLCH 1969 DETAIL WORK
HANDLE
純正タイプのライザーに攻撃的なポジションを生むハンドルをセット。配線中通しでクリーンなルックスに。
FRONT FORK
フロントフォークは33φの純正をスムージングして再メッキ。インナーチューブはハードクロームを施工。
FRONT WHEEL
ホイールは前後共にボラーニのHリムを装着。ブレーキレスの仕様と相まりシンプルを極めたデザインとなる。
MUFFLER
アイキャッチに映える左出しのマフラー。右側のマグネトーが邪魔だったからという理由で取り回した箇所。
HARD TAIL
社外品のハードテイルを組み込み、エンドの角を丸く整形。リアホイールも同じくボラーニのHリムをセット。
REAR FENDER
状態の悪かったワッセル製リブフェンダーを修正。ステーはシンプルを念頭に置き、装飾を排した造形とした。
BUILDER’S VOICE
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