HARLEY-DAVIDSON WL 1946
NATURAL STEEL WORKS
初ダイヤモンドで
WPCフェスティバル
イメージを聞けば、「昔の雰囲気もありつつ軽快に走れるように」、だと言う。がしかし、ここん家のとびきりは、何にしてもエンジンだ。北関東屈指の呼び声高い、同店の本気が凝縮したメニューを追ってみたい。ちなみに。内容的にけっこう寄ってるので、ついて来れないカスタムファンは写真だけスクロールして読み飛ばしてもらってOK。では早速いってみよう。
「今までやったことのなかったエンジン内部のコーティングとかですね。まあキモは、エンジンとミッション。クランクはノーマルで組んで、カムに市販のWLDR用を入れて、バルブ関係はビッグバルブ化と、ポートをでかく加工して……」
店主田邊さんの口から発せられるスペックの数々。そして今回初めて試したのが、表面を硬質にコーティングするダイヤモンドコートだ。WPC(※摩擦摩耗性を向上させる特殊処理)と併用して、ミッションギヤやバルブ、シャフトに施行している。
「でもダイヤモンドは部分的に出来ませんって返って来た箇所がある。だからそれらはWPCに回してます。カムとかシャフト、ベアリング一個一個にWPCをかけて、コンロッドとかクランクピンまで全部やってますね」
実際に氏が乗るレースマシンにおいて、摩耗し辛くビッグエンドのガタがなかなか出ないことから、長く乗って欲しい車両にはほとんどこのWPCを施行しているそうだ。一方ダイヤモンドだが、未だ結果が分からないとはいえ、少なくともミッションを組んだ時のスルスル回る感じは別物。つるつるとした触り心地と相まり、今後大いに期待出来る様子だ。
さて、次にキャブを押さえなきゃ嘘になる。使用するのはM51リンカート。で、マニホールドはスリーボルト用の一番大きいUL時代の物を、得意のマシニングセンタを駆使して内径をボーリング。そして、ナックルヘッドのEL用マニホールドニップルが付くように加工している。これは言うまでもなく、空気を最大限に吸入するためのものだ。
「中速とかの伸びがやっぱり少し良くなります。あと、DRカムがそもそも高回転向けなんですけど、高回転に行ってからの伸びが結構良い。乗り味は全然違いますね」
淡々と言葉をつなぐ氏だが、これら一連の作業は容易に真似出来るレベルにはない。まずマシニングセンタという高度な自動加工機を使いこなしてこそであり、また、仕事の結果に一喜一憂出来る純粋な心と知識があってのものだ。この豊かな才を前に、半端な賛辞は意味をなさない。
HARLEY-DAVIDSON WL 1946 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドルとライザーは元々付いていた物をそのまま流用。メーターはPOSH製でフロントから取るタイプ。
FRONT FORK
フォークは45スプリンガーをベースに、74スプリンガーのロッカーを装着。ドラムブレーキはビッグツイン用。
SHIFT KNOB
平日はメカニックとして働くオーナーが営むシルバー屋『リトルヴィレッジカンパニー』製のシフトノブ。
ENGINE
内部にスペシャルメニューが施されたWL750cc。ワイコ製マグに、ステップ周りは純正加工でコンパクトに成形。
MUFFLER
荒々しい作りのマフラーはワンオフ。基本修理やチューニングメインだが、レーサー系カスタムも手掛ける。
REAR WHEEL
ホイールは前後18インチ。リムにエキセルHリムを履かせ、ステーやフェンダーはアクアブルーに彩られる。
BUILDER’S VOICE
NATURAL STEEL WORKS
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