ハーレー ショベル FX 1975のチョッパー カスタム

HARLEY-DAVIDSON FX 1975
ACE MOTORCYCLE

July 17th, 2017

語らないビルダーの
ゆだねた主張

知る限り、エースモーターサイクルの徳山さんほど言葉で主張しない人も珍しい。でもその分、バイク単体での主張は凄まじいものがあって、ちらりと視界の片隅に見えただけの姿でも、時間がたつにつれて逆にくっきりとしてくる。

ハーレー ショベル FX 1975のチョッパー カスタム

今回のニューオーダーチョッパーショーもまさにそれで、何メートルも先に出展してあるそれをいったん通り過ぎたまでは良かったけど、その後がいけなかった。いったいどこのショップのチョッパーなのかと、もうソワソワしてしょうがない。で、引き返してみれば、予想はしていたけど、案の定のエース節が炸裂である。

ハーレー ショベル FX 1975のチョッパー カスタム

‘60年代後半から’70年代前半にかけてのチョッパーをイメージしたと言う。もちろんその言葉には、便宜上の表現が多分に含まれていて、実際はその年代のテイストはごくわずかで、あとは氏の頭の中にあるデザインを落とし込んだオリジナルだ。

前後ホイールは19/16インチで、フォークはノーマルを使い、ボトムケースをスムージング。ピタリと覆うカバーはワンオフで製作したものだ。では、タンクからリアフェンダーにかけてつながる、肉感的ですらあるラインはどうだろう。

ハーレー ショベル FX 1975のチョッパー カスタム

まず、タンクである。汎用のスポーツタイプを用意し、トップパネルを平らにならして、両サイドは氏がイメージするジャストなふくらみを持たせて成形。当時のインディアンのタンクを思い描いたというそれは、上側2ピース、下側2ピース、トンネル部分1ピースの全5ピースの鉄板で構成されている。そして、そのどのピースも、叩いてローラーで均してを繰り返して作った、鬼気迫るかの一片だ。

ハーレー ショベル FX 1975のチョッパー カスタム

リアへと流れるスムーズなラインには、タンク後端のモールディングが大きな役割を果たす。仕上げに微量のパテを使うが、ほぼ金属で太く成形した部位は、鉄パイプ2本をつないで溶接し、丁寧にスムージングしてフィニッシュしたもの。既存の細い状態とは比べるまでもなく、流麗な一体感には雲泥の差が生じる。

そのまま視点を移して、シートエンドの造形にも触れたい。横から見れば瞭然の、シート厚とツライチで合わせたスクエア型のテールボックスは同店お得意のシェイプ。まるでテトリスを思わすカッチリ感は、いつまでも眺めていたい痛快なシルエットだ。

ハーレー ショベル FX 1975のチョッパー カスタム

オイルタンクとマフラーもワンオフである。車体から出っ張らないように、タイトなクリアランスでイチから加工してのフィッティング。こうした、どのディテイルにも相当の手数をかけた集大成がエースの『主張』となって、人を惹き付ける。

HARLEY-DAVIDSON FX 1975 DETAIL WORK

ハーレー ショベル FX 1975のハンドル

HANDLE

ショートタイプのライザー一体のハンドルは脇の締まるタイトなポジションを形成。同店特有の造形である。

ハーレー ショベル FX 1975のフロントフォーク

FRONT FORK

FXのノーマルフォークのボトムケースをスムージング。カバーはフォーク径にジャストであつらえたワンオフ。

ハーレー ショベル FX 1975のガスタンク

GAS TANK

全てのディテイルが一から製作された完全ワンオフ。5ピースの鉄板をつないだタンクはダークブラウンに塗装。

ハーレー ショベル FX 1975のオープンプライマリー

OPEN PRIMARY

ミッドコントロール周りとカバーもワンオフ。車体の雰囲気に合わせてパーカーライズの表面処理が施される。

ハーレー ショベル FX 1975のテールライト

TAIL LIGHT

シート厚とツライチで合わせたテールライトボックス。シンプルなパネルステーも全体の雰囲気にマッチする。

ハーレー ショベル FX 1975のマフラー

MUFFLER

一見汎用のスラッシュカットと思いきや、よく見れば全くの別物。限りなく車体に寄せた完全ワンオフ。

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