
H-D S&S P93 “LINDBERG” 1969
SATOMARI MOTORCYCLE
変幻自在のアイデアが満載の
大口径ホイールを履いた秀作
昨年末の横浜ホットロッドカスタムショー(HCS)会場に、アメリカ屈指のエンジンメーカー『S&S』のブースが、国内パーツディストリビューター『ネオファクトリー』のサポートのもと設置された。催されていたのは、S&Sヴィンテージツアー。

S&Sが選りすぐりのビルダーにモーターを提供し、ビルドされたマシンを展示するというイベントである。その日本版が初めて行われ、3組の個性溢れるビルダー陣が選ばれた。そのひとりが『サトマリモーターサイクル』の佐藤さんだ。
「こういうオファーは初めてで、ただただ嬉しかったですね」、と氏は語る。そして与えられた素材はP93。その名の通り、93cu.in.のパンヘッドだ。これをいかに料理するか……。
思案した結果、脳裏に浮かんだのが10年前に自身が手がけた、前後23インチのホイールを履いたマシンだった。

過去作の中でも最もメモリアルなその一台を、今の技術とセンスで造ってみたい。それに加えて、レーシーなテイスト、更に試したいと思っていた新たな技法も詰め込むと決めた。
最も注視すべきはフレームだ。メインチューブはネックから2本に分かれ、そのままリアアクスルまでまっすぐな軌道を描く。分割のガスタンクの間にはオイルタンクを配置しており、車体左サイドに設けられたサブフレームがメインチューブに代わってエンジンを支えている。

前後23インチという非凡なホイール選択のため、バランスを考慮してフレームの後半部分は延長。その長いホイールベースはドラッグマシンを彷彿とさせる。
ゼッケンプレートをイメージした顔面や、プライマリー等に施されたドリルド、2スロートキャブにトレイシーボディ然とした外装など、レーサーの雰囲気を醸すセクションが数多く見受けられるのもこのマシンの特色だ。

塗装は佐藤さんが絶対の信頼を置くフリースタイルペイントが担当。フルスクラッチ製作の際には静岡からサトマリに訪れて泊まり込み、2人でバランスや配色を熟慮して塗装に臨むのがルーティンだという。
「何色ってのは特になくて。工作機械のようなメカメカしい色なんだけど、見方によっては可愛らしくも見える……。不思議な色ですね」

伝説的な飛行機乗りの名から『リンドバーグ』と名付けられたマシンは、様々な見所を引っ提げて横浜にて初披露。比類ないセンスと技巧から会場でも高い評価を得た。
その渾身の一台に敬意を表し、『カスタムフロントピック』が贈られていたことをここに記したい。
(写真・文/マツモトカズオ)
HARLEY-DAVIDSON S&S P93 “LINDBERG” 1969 DETAIL WORK

FRONT FACE
往年のモトクロッサーを彷彿とさせる顔面はアルミで製作。ヘッドライトにはPIAAのフォグランプをチョイス。

FRONT WHEEL
フォークはFL系の物を加工。23インチのホイールにステンレスのスポーク。ブレーキはミニドラムをセット。

ENGINE
P93モーターはシリンダーをブラックアウトしてコントラストを作る。キャブはS&Sの代名詞的な2スロート。

HAND SHIFT
シフターはシートの後部に配置。「これが本当のジョッキーシフト」と笑う。イグニッションは非接触型を採用。

MUFFLER
細身な車体構成に伴いマフラーはフレーム内を走る。非対称に見えて、同長を考慮し前後のパイプ長は揃える。

SUB FRAME
サブフレームの造形に目を奪われるBサイド。マフラーやプライマリー、ステップ類の造り込みにも注目したい。
BUILDER’S VOICE
SATOMARI MOTORCYCLE
| 住所 | 広島県尾道市古浜町7-69 |
|---|---|
| 電話 | 0848-25-2829 |
| FAX | 0848-25-2829 |
| SHOP | サトマリモーターサイクルのショップ紹介 |
| 営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
| 定休日 | 月曜日 |

H-D SHOVELHEAD 1979





















