
H-D FLH 1969
FRANKEN CUSTOM WORKS
二次元から三次元へ
高鳴る立体的ファイト
既存のカスタムスタイルに独自のテイストを加え、ワンアンドオンリーを追求する作り手である。今回は1969年式アーリーショベルを素材にして、他人とは肩を並べない心意気そのままを、目の前のチョッパーにぶつけている。

後々乗っていくことで、いま『サバイバー』と呼ばれるようなチョッパーの雰囲気になっていくように。そして、オールドペイントの技法を立体的におこしてみたらどうなるか。この2点をテーマに計画を実行したと、主人の老林(おいばやし)さんは話す。

「魚のウロコの形とか、放射の感じとか、オールドペイントで主流とされてきたものを立体におこしてます。だからそれらを全部メタルワークでやってるんで、パテは整える程度で、撫でるぐらいにしか使ってませんね」
パテで成形するのが大半を占めるなかで、あえてメタルワークにこだわった造形が闘志の現れだ。近年、フレイムスデザインのモールディングタンクが流行っているところへの別のアプローチを示していると、氏は覇気に富む。

さて、肝要の鈑金加工による『ウロコ』である。ペイントでない以上、それは金属の造形でしかなしえないものだ。一枚一枚、鉄板からウロコ型を切り出し、それをひとつずつタンク側面に溶接。本物のウロコに見えるように、溶接後に丹念にならすことで個々のエッジを立てて立体感を描出した。
またそれだけでは飽き足りず、そのウロコを敷き詰めた部分を一段内側にオフセットさせることで加工レベルを増している。

一方、リアフェンダーにも同様のファイティングポーズが向けられる。ペイントではなくメタルワークで『放射状』のグラフィックを表現するにあたり、聞くところによると、8枚もの鉄板が重ね合わせられているそうだ。
無論そのままでは厚みが強すぎるのと、オーナーたっての希望で用いたこのフェンダーが薄手のヴィンテージだったため厚くなったのでは意味がない。そこで『ウロコ』部分と同様に、一段下げて、最終仕上げの表面が元のラインと同じになるよう調整された。

「なんだろう、結構細かいことやってるんですよね(笑)。フレーム表面の造形も立体的なスリーピースになっていて、裏と表、真ん中の『放射状』のところを鉄板から切り出してそれをフレームに溶接してみたいな」
ペイントで出来るところをメタルワークで挑む闘争心。カスタムビルダーと呼ばれ、常に上を目指す人種は誰もが、自分自身の腕に人生をベットしている。
HARLEY-DAVIDSON FLH 1969 DETAIL WORK

HANDLE
ハンドルはシンプルなストレートバーを。ライザーはトップとボトム部を立体的に造形したワンオフパート。

FRONT FORK
ヴィンテージのナロードツイストスプリンガーをリメイク。コンパクトな車体とバランスを取りセットされた。

GAS TANK
タンクトップと両サイド『ウロコ』部分にいかんなくメタルワークを発揮。凝ったペイントも見せ場のひとつ。

REAR END
フェンダーステーは立体感ある模様に作製。アクスルシャフト前のフレームモールドに自店の世界観を創出する。

MUFFLER
マフラーはダウンタイプのスラッシュカットを設置。全体のスタイルを黄金比的チョッパーシルエットで構築。

REAR FENDER
8枚もの鉄板を重ね合わせて改作。『放射』部分は一段下げて完成形が元の表面ラインと同等になるよう整調。
BUILDER’S VOICE
FRANKEN CUSTOM WORKS
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HONDA CB750 F2 1977






