H-D XL1200S 2003
RULER
米英の両雄が混戦する
たそがれのモニーモニー
福岡県の中南部、朝倉市に居を構えるアメリカンカスタムの柱石『MOTORCYCLE SHOP H.B.C』は、本丸のH.B.Cと並行して、スクランブラー系に注力した『RULER(ルーラー)』ブランドを展開。
このスポーツスターは、ブランド発足から約10年が経つルーラーの最新作にして作り手水田さん会心の一台だ。
代表橋辺さんの元で腕を練磨してきた水田さんは、安易に親方に技術を請(こ)うことなく、自らで教材を探し出しそれを参考にしてスキルを増進。淡々と筋力を上げてきた。
「社長直々には教わってないです。目の前に溶接機があってあとは自由に使っていいよって感じだったのでほぼ独学です(笑)。毎回いろんな車両を作る上でサイズ感だったりバランスには気を遣ってます。これは一台任された感じですね」
車体全体のアウトラインは橋辺さんが引き、実作業は水田さんが担当。コンセプトは、イギリスの古いチョッパーとアメリカのハーレーダビッドソンとの融合である。このスタイルの違う両者を組み合わせるというオーナーのお題に対して、楽しみながら作らせてもらったと氏は語る。
「面白い試みだったので作っててものすごく楽しかったですね。オーナーさんのイメージする画像を見せてもらってハンドルだったりを決めていって、あとはダートな感じのパーツのセレクトも画像で細かく共有させてもらいました」
中でも、見せどころとして大きいのはボンネビルタンクを採用した点だと言う。スポーツスターとボンネビルという米英の化学反応に胸躍らせ、いったいどの箇所にピンポイントでマウントするのがベストなのか。そこに細心の注意が払われた。また、体裁を彩る大分県『トラッドペイント』によるチェッカー柄のグラフィックも名演だ。
前後ホイールやフォークにはXL1200Sの純正を使うが、ハンドル周りやシッシーバー、ガスタンクなどでブリティッシュチョッパーの味付けに刷新。
力を入れて製作したと話すマフラーも、疾走感のある流れるようなラインを基調にして極力車体に寄せてレイアウト。全体の印象が遊び心のあるチョッパーゆえ、マフラーもそれに準じて直線的ではないアールを活かしたもので着地された。
「いままで自分が携わってきた中でもかなり満足感のある車両ですね。それとこのバイクは、もうこれ以上するところがないって感じのものではないんです。オーナーさんがこれからもどんどん部品を変えていったりする楽しみも残した車両ですね」
HARLEY-DAVIDSON XL1200S 2003 DETAIL WORK
HANDLE
フランダースタイプのライザーに、ハンドルはベント角がシャープなものを装着。チョッパースタイルを打ち出す。
FRONT FORK
フォークはXL1200S純正を使い、ヘッドライトはツーパーセンター製の5-3/4インチ・サイドマウントを選択。
GAS TANK
ボンネビルタイプのタンクの下側トンネル部を改良してセット。ペイントは大分県トラッドペイントによるもの。
MUFFLER
力を入れた箇所のマフラーは数本のパイプを接いで配置。直線的ではなくアールを取り入れたデザインで製作。
REAR FENDER
モーターロック製FRPフェンダー上にワンオフシートを設置。純正をベースにしてステッチを変え、張り替え。
SISSY BAR
チョッパーのイメージを高めるツイストシッシーバー。ハンドルとのあんばいを加味したベストな位置に据える。
BUILDER’S VOICE
RULER
住所 | 福岡県朝倉市来春369-1 |
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電話 | 0946-23-9408 |
FAX | 0946-23-9409 |
SHOP | RULER(MOTORCYCLE SHOP H.B.C)のショップ紹介 |
営業時間 | 9:00 ~ 19:00 |
定休日 | 月曜日 |