H-D XL 1200S 2002
CYCLE WEST
稀代のXRレーサーを模した
ストリートトラッカー
シンプルかつコンパクトなチョッパーを輩出してきた『サイクルウエスト』。同店が手掛けるハーレーは、完成度の高いカスタムバイクが居並ぶ2023横浜ホットロッドカスタムショーにおいても見劣りせず、異才を放つ。
これまで多くのチョッパーを手掛けてきたビルダーの西山さんだが、今回のカスタム車両はまた違った赴きにより製作。それはハーレーのファクトリーレーサーである、XRの雰囲気を纏っていた。
「お客さんの持つイメージがXRレーサーだったんですけど、完全に模してるわけではなく、普段使いする感じでストリートに落とし込みました」
ムチムチした太いタイヤが与えるインスピレーションは稀代のレーサーそのものであるが、ベースとなっているのは2002年のXL1200Sだ。
「’03年までのモデルはコンパクトだから、こういったスタイルは作りやすいんです。でも今後は’04年以降のバイク、それこそインジェクションモデルとかでも、街乗りにちょうどいいトラッカースタイルを提案していきたいと思っているんです」
チョッパー色が濃いと思われてきたショップのニューカマーは、ストリートトラッカー。フロントは2インチローダウン。しかも1200Sではなく、1200Cのフロントフォークを使用。リアショックもプログレッシブのローダウンサスで下げている。
「ローダウンしなければ、このシルエットに持っていけないです。しかもタイヤは4.00だったり3.50でもダメ。当時のダートレーサーってタイヤが太かったんで、あの雰囲気は4.50じゃないと作り出せない」
一見、ライトカスタムとも思えるような仕上がりだが、手の込んだ詰めにより、そう思わせているだけだ。ガスタンクはベースこそスポーツタンクだが、エンド側を広げあえて四角いシルエットとなるように成形。下も詰め、原形の雰囲気が残っているのはフロント側のコーナー部分だけだ。
独特なサウンドを奏でるワンオフマフラーは、エンドに若干の広がりを見せるメガホンで、フォルクスワーゲンのレーシングマフラー用バッフルが組み込まれている。
そのマフラーに西山さんが独特のこだわりを見せるのが、パイプ径。
「旧車やナローチョッパーには細い1と3/4パイプを使うんですが、エボとかツインカムなどの高年式車両には、2インチパイプの方が似合う気がしてるんです。僕だけがそう思ってるのかな(笑)。
でも見た目だけじゃなく、お客さんが望んでいるハーレーっぽい太い音って、2インチパイプの方が出ると思うんですよね」
(文/野上真一)
HARLEY-DAVIDSON XL 1200S 2002 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドルバーはナイス! MCのアルミ製、ライザーはフランダースレプリカのステンレス製をサンドブラスト加工。
TIRE
アイアンスポーツなどに使われていたH型リムのレプリカを使用し、前後タイヤともに18インチ×4.50を装着。
GAS TANK
XRレーサーの雰囲気を醸すタンクのピンストライプは、カスタムショー当日、シェイキン清水氏によって描かれた。
AIR FILTER
エアフィルター、ポイントカバーはムーンアイズ製。アルミの質感がエボリューションスポーツによく似合う。
MUFFLER
街でよく見るダートトラッカーのマフラーは高い位置で取り回されるが、こちらは大胆にも低い位置で短くカット。
SEAT COWL
ナイス! MC製カフェスタイルのシートカウルに装着されるシートは、アトリエチェリーによる本革の手縫い。
BUILDER’S VOICE
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