フェイテックのハーレー ショベルヘッドチョッパー

H-D SHOVELHEAD SPCN
FATECH

July 21st, 2023

舞い降りる
深紅のいかずち

並みならないパッションをたぎらせている。物作りに対して、真向勝負の身構えはショップ創業時から一貫している。また、金属加工への信念と技術の研鑽は日々アップデイトされ、それを公言してはばからない。

内に秘めるのではなく外部へ謳うことで、ある意味自分の退路をふさいでいるとも言える。行くしかないし、やるしかない。自ら世間のシビアな監視下に身を置くことで自身を律し、描いた理想へと邁進(まいしん)する。店主の渡辺さんは、そういう人だ。

フェイテックのハーレー ショベルヘッドチョッパー

得意のフルスクラッチできめた一台は、1500ccのチューンドモーターを積んだショベルヘッド。これは、10年近く前に既に組み上げていたスペシャルを、オーナーが付いたのと同時に更に手を加えたものだと言う。

「コンプリートじゃなくて一個ずつパーツを集めて組み上げていったエンジンですね。エッチビームのロッドを入れたり、デルクロンケースにしたり、ジムズのカバーとかリフターを集めたり、いろんなことをしてるんだよ」

フェイテックのハーレー ショベルヘッドチョッパー

かつて構築した93キュービック(1500cc)エンジン。それを新オーナーに向けて、S&S製クランクをトレット&オズボーン製トルクモンスターに変更。また、製作から10年の間に培った知恵や技量といったノウハウを惜しみなく注ぎ、現時点でのベストが尽くされた。

「この厚い重いクランクを入れると振動が減って、排気量アップしたエンジン特有のビリビリ感がなくなるんだよ。オーナーさんも速さを求めてたわけじゃないので、この乗り味とルックスのところでクラシックなアメリカをイメージして作ってますね」

フェイテックのハーレー ショベルヘッドチョッパー

さて、フレームワークである。モーターショップ製を思わすアクスル部分をループ加工した骨格はワンオフで製作。その際、ホイールベースが短くなるようにリアを1インチショート化し、その分フロントが詰まった印象になるためレイク角を33度に設定。更に、視覚的効果をかんがみてマフラーを長めに取ることで、マスに集中し過ぎない前後の均衡が取れたフォルムを創出した。

フェイテックのハーレー ショベルヘッドチョッパー

そこに、ガスやオイルタンク、リアフェンダーなど、伝家のシートメタルを駆使した外装パーツが合わさり、練り上げた完成度で着地させている。そして、この物作りの土台のところにある源泉が、『ホットロッド』だ。

フェイテックのハーレー ショベルヘッドチョッパー

「間違いなく手で作ったってことじゃないかな。あとそこに情熱が入っているか。走りが熱いか。そういうのがホットロッドだと思うけどね。まあそれがウチのスタンスでもあるんだよ」

HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD SPCN DETAIL WORK

ショベルヘッドチョッパーSPCNのフロントフォーク

FRONT FORK

純正φ39用トリプルツリーを加工してφ41フォークを装着。インナーチューブにチタンコートを施工する。

ショベルヘッドチョッパーSPCNのガスタンク

GAS TANK

シートメタルが光るガスタンク。突起させたキャップ部が同店の個性で、前側フレーム間にはオーナメントを設置。

ショベルヘッドチョッパーSPCNのエンジン

ENGINE

4-1/2ストローク・3-5/8ボアの93キュービックエンジン。ロッカーカバーやオイルラインなど見せ場は多い。

ショベルヘッドチョッパーSPCNのフレームワーク

FRAME WORK

アクスル部分をループ加工したフレームワーク。ナンバーマウントの剛健な作りや裏側の処理に手抜かりはない。

ショベルヘッドチョッパーSPCNのマフラー

MUFFLER

1インチ短くしたホイールベースに合わせて逆にマフラーを長めに設定。視覚的効果をかんがみて均衡を計る。

ショベルヘッドチョッパーSPCNのリアエンド

REAR END

ショート化したリアフェンダーはクラシックを表現したステーで支持。錆びにくいネオパーカー処理で完遂。

BUILDER’S VOICE

FATECH

住所 東京都江戸川区一之江2-5-4-102
電話 03-5661-4180
FAX 03-5661-4181
SHOP FATECHのショップ紹介
営業時間 11:00 ~ 20:00
定休日 水曜日