ハーレー アイアンショベル 1982のディガーカスタム

HARLEY-DAVIDSON IRON SHOVEL 1982
CYCLEBOSS

October 3rd, 2016

AKIRAに影響を受けたビルダーが作る
ロケットカウル・ディガーカスタム

ディガースタイルにロケットカウルを装着した、オリジナリティあるカスタムを製作したのは、東京都東久留米市のサイクルボス。オーナーがネットで手に入れた’82年式のアイアンスポーツは、ノーマル状態ではあったものの全体的にグッサグサにやれていて、そのままではとてもじゃないが使い物にならない程度だったそうだ。

そこに来て、代表阿部さんの元に朗報が舞い込むことになった。知り合いからディガー好きの氏に、「ディガー用フレームがあるんだけどいらないか?」という連絡が入ったのだ。そのままではどうしようも無いアイアンスポーツのカスタム方法に悩んでいた最中の連絡とあって、一も二も無く快諾。オーナーと相談の上で、遂にディガーカスタム・プロジェクトが幕を切ったのである。

ハーレー アイアンショベル 1982のディガーカスタム

「周りのカスタムを見渡して意外とやっていないスタイルが、ディガースタイルにロケットカウルを合わせたカタチ。この組み合わせが似合うに決まってるのは分かっていたから、ずっとやりたくてしょうがなかった。だからいよいよディガーチャンスが来たな、という感じでした」

代表の阿部さんのバックボーンをひも解けば、漫画AKIRAに行き着く。幼少期から多大な影響を受け続けたあのカタチ目掛けて作業は進められた。

ハーレー アイアンショベル 1982のディガーカスタム

何はなくとも、まずはラフスケッチである。カスタムを作る上での設計図と称するイラストを、詳細に描いてオーナーとイメージを共有。絵心のある阿部さんが描くそれは、完成図を想像するには理想的なもののため、その後のオーナーとのやり取りもスムーズ。この、作り手とお客さんがお互いに具体的な完成形を共有できるというのが同店の強みだろう。

外装に関しては、そこまで大変だったという部分は無かったと言う。ただ、今回のカスタムの肝(キモ)となる、カウルのマウント位置には細かく配慮。数cm単位で全体のバランスが変わるため、ベストな位置を探るのに細心の注意が払われた。また、そのカウル自体に関してもオーナーがかなり走る人のため、ガンガン乗っても割れないようにたっぷりと肉盛りで補強。

ハーレー アイアンショベル 1982のディガーカスタム

他には、この手のスタイルだとメーターにAuto Meter製を付けるのが一般的だが、そこを敢えて純正メーターを使い、昔のBMWのレーサーに見られたマウント方法としている。この点も、右へ倣えを良しとしない同店特有の部位だと言えよう。

苦労したのはエンジンである。長い間動いていなかったため、内部を見れば至るところが固着して惨憺たる有り様。そのためクランクケースを除いたすべての箇所をやり直して、今回のロケットカウル・ディガーは2015年度開催の横浜ホットロッドカスタムショーに出展。華々しくデビューを飾ることになったのである。

HARLEY-DAVIDSON IRON SHOVEL 1982 DETAIL WORK

ハーレー アイアンショベル 1982のロケットカウル

ROCKET COWL

今回のカスタムの目玉となるロケットカウルはワンオフで製作。ビルダーのバックボーンを反映した力作だ。

ハーレー アイアンショベル 1982のメーター

METER

ロケットカウル内側に純正メーターをマウント。古いBMWのレーサーに倣った位置に装着している。

ハーレー アイアンショベル 1982のガスタンク

GAS TANK

無数のエッジが立った、ワンオフのプリズミックタンクのペイントは埼玉川口のレーザーズペイントが担当。

ハーレー アイアンショベル 1982のエンジン

ENGINE

固着やサビのあったストックエンジンを丁寧にリフレッシュ。CVキャブにはショートファンネルが付く。

ハーレー アイアンショベル 1982のマフラー

MUFFLER

歯切れの良いサウンドを奏でるスラッシュエンドのマフラーはエンド部分をターンアウトとする。

ハーレー アイアンショベル 1982のリアフェンダー

REAR FENDER

端からシート下にかけて美しいアールを描くワンオフのリアフェンダー。ライトはルーカスタイプを選択。

BUILDER’S VOICE

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