HARLEY-DAVIDSON XL1000 1974
HOLLIDAY GARAGE
オーバーフレイムスがアイコンの
闇夜に映えるストリートエッジ
作り手の勢いとキレた感性を感じさせるチョッパーだ。見ての通り決して優等生的スタイルではない。どちらかと言えば、夜の闇にたむろする人間同様のエッジさえ立つ、ホリデーガレージによる凄みを持ったアイアンショベルだ。
まず基本となる骨格は、パウコフレームをベースにリアアクスルを軸にモディファイ。前方へ詰めることで極限までコンパクト&スリム化が図られている。この最小化が一番のポイントになるのだが、それだけでは当然この独特の雰囲気は醸し出されない。そう、オーナーの要望で選択したシングルダウンチューブがボディブローのように効き、厚みを増している。
前後には19/18インチのヴィンテージのセブンスターホイールを装着。昔国産バイクによく使われていたもので、今回ハーレー用の新品が手に入ったため取り付けたそうだ。そしてフロントフォークには、現行のスポーツスター用を違和感なく導入。これによりブレーキキャリパーもそのまま最新の物が使えるので、不安の無い制動力を確保している。
「走る、止まるという、まあ当たり前なんだけどその辺をしっかり押さえたカスタムをしています。今回は後ろがドラムブレーキでどちらかと言うと頼りなかったんで、その分前でしっかりカバーしようかなと。現行の4ポッドが付くんで問題ないですね」
オンロードであれオフロードであれ、レース活動に真っ向から取り組むショップというのはバイクの基本性能に関してことさらシビアな傾向がある。ドラッグレースに真摯に取り組む同店も御多分に漏れず、当たり前のことを当たり前に、隙無く完遂している。
エンジンはストックの1000ccで、キャブはEVO用のCVを流用。過激な乗り味を求めるのではなくナチュラルなライドフィールを生むありのままのセットアップだ。
タンクはエッグタンクのアンダーパネルを加工してハイマウント、ワンオフしたハンドルとのコンビネーションが絶妙だ。そして、リア周り。これ以上ないほどショートカットしたその姿に否応なしに目がゆく。後ろから見ればフェンダーの姿はもはやなく、タイヤが剥き出しの状態。走り出したときの見慣れない光景はワイルドそのもので、タイヤのみが高速回転する様に小気味良さすら覚えてしまう。
ホリデーガレージとストリートカスタム。今から数年前、夜な夜な開催された腕自慢のチョッパー乗りたちによるスピードランでその存在を知らしめ、飛びっきりのチューンで暗躍した同店が語る『ストリート』は決して伊達ではない。そして、漆黒の闇を切り裂いてきた世界からドラッグストリップへと活躍の場を移した現在も、その危ういDNAは息づき、このマシンにも受け継がれている。
HARLEY-DAVIDSON XL1000 1974 DETAIL WORK
HANDLE
ワンオフのハンドル周りはシンプルにまとめられる。フレイクが入るソリッドなゴムグリップとの相性も良い。
FRONT FORK
フロントフォークは現行タイプを流用。こうすることで自然と、信頼の置ける高年式のブレーキが使用できる。
GAS TANK
エッグタンクを加工してハイマウント化。同店のアイコンとなる、上方へ燃え盛るフレイムスラインが入る。
SEAT
乗り心地ではなくスタイル重視のソロシート。極限まで詰めたフラットフェンダーは幅も相当にタイトだ。
MUFFLER
2イン1のショートマフラーはシートレールからリアアクスルまでのフレームラインと同じ角度で設計された。
REAR WHEEL
アサヒ製セブンスターホイールを前後に装着。キャッチタンクのマウントがストリートテイストを高めている。
BUILDER’S VOICE
HOLLIDAY GARAGE
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