ハーレー FLのロングフォークチョッパー1974年

H-D FL 1974
HOT SPICE CUSTOMS

September 6th, 2021

だから量産される
本人だけへの贈りもの

お客さんとの距離感が近く、なごやかな空気が流れているショップだ。軒先にずらりと並んだ車両の一角で、オーナーが乗ってきたバイクの調子を店主が見ている姿は、昔ながらの町のバイク屋的な風情がある。開け広げられた戸口の通り、敷居がフラットなだけに自然と訪れるお客さんとの磁力も強いようだ。

ハーレー FLのロングフォークチョッパー1974年

コンパクトにまとめたストリート系のカスタムからロングフォークまで、持ち前の引き出しからジャンルレスにカスタムを湧きだす京都の『ホットスパイスカスタムス』。今回は’74年式FLがベースのロングフォークチョッパーである。

「これはちょっと小ぎれいなスタイルですかね。ロングフォーク自体に特化してるわけではないのでたまたまです。逆に昔はベタベタにローダウンしてフォークが短いのが多かったぐらいですから」

ハーレー FLのロングフォークチョッパー1974年

そこで、とりあえずフロントを伸ばしたいというオーダーを受けて、主人の笠井さんは12インチオーバーのスプリンガーフォークを選択。その要(かなめ)のフォークに合わせてハイバックシートやシッシーバーを作っていったと言う。

まず、ガスタンクには汎用のスポーツタンクを装着。パウコ製のマフラーはそのままポン付けでは付かないことから、修正を加えてフロントとリアパイプが平行になるように調整してマウントされた。

ハーレー FLのロングフォークチョッパー1974年

「オーナーが乗ってラクなようには作りました。この前の状態がちょっとしんどい感じだったんですよ。そやし長距離乗ってても体が疲れにくくて、出来るだけカッコ良く。両方をうまいことバランス取るようにしました」

ハーレー FLのロングフォークチョッパー1974年

手前に程よく引かれたハンドルは単一で製作。またフットコントロールはフォワード仕様だが、それとは別にミッドハイステップを配備。このハイバックシートに腰をもたせかけ、ハンドルを握り、カチッと膝を曲げたライディングスタイルはなかなかにフォトジェニックだ。気負わずに肩の力を抜いて走る姿が、オーナーの雰囲気とよく馴染んでいる。

ハーレー FLのロングフォークチョッパー1974年

「オーナーさん乗り出して3、4年ぐらいですかね。まあすごい似合ってるんですよ。車両もそうですけど乗ってる感じが良いので紹介したいなって思ったんです」

作り手がオーナーに合うバイクを作ること。それは前例もなければ手本もなく、お互いの波長のみが糸口のためにハードルは高い。そして、そうした難題は普段のお客さんとの関係がおのずと導き出してくれるもの。だから結局、このショップにはさほどの苦もなく答えが量産される。

HARLEY-DAVIDSON FL 1974 DETAIL WORK

ハーレー FLロングフォークチョッパー1974年のハンドル

HANDLE

手前にベントしたハンドルはワンオフ。若干後方へのけ反り、ピンと腕が伸びたライディングスタイルを生む。

ハーレー FLロングフォークチョッパー1974年のフロントフォーク

FRONT FORK

スプリンガーフォークはメーカー不明の12インチオーバーを装着。長過ぎず適度なチョッパー感を演出する。

ハーレー FLロングフォークチョッパー1974年のガスタンク

GAS TANK

ガスタンクは汎用のスポーツタンクをセット。シンプルな地のブラックカラーに、ピンストはカミカゼが担当。

ハーレー FLロングフォークチョッパー1974年のエンジン

ENGINE

ストックエンジンにEキャブを合わす。フットステップはフォワードコントロールとミッドハイの2つを配備。

ハーレー FLロングフォークチョッパー1974年のマフラー

MUFFLER

パウコ製アップスイープはそのままでは装着出来ないため修正を加えてセット。前後パイプの平行が出される。

ハーレー FLロングフォークチョッパー1974年のシート

SEAT

シートはホールド性の高いハイバックシートを。その形状に合わせてシッシーバーも同じく単一で用意する。

BUILDER’S VOICE

HOT SPICE CUSTOMS

住所 京都府京都市伏見区淀際目町241-6
電話 075-632-2855
FAX 075-632-2855
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