H-D SHOVELHEAD 1979
ENDO AUTO SERVICE
ネックひとつ分あやとる
26度のカチ上げスタイル
群馬県の『遠藤自動車』といえば、地面に至近したロースタイルのグースネックカスタムで知られるが、数あるカスタムサンプルの引き出しにはこうした毛色の違うチョッパーも造作なく収められている。
1979年式のショベルヘッド。街中をすいすいと走れるように、なるべくホイールベースを短めにしたと番頭の大柿さんは説明してくれた。
「そうですね、あんまりこういうスタイルは過去には少ないかもしれないですけど、ご要望さえあればこんなことも出来ますよと。そんなイメージにはなるかなと思います」
ポイントは、フロントのネック位置である。標準のネック位置に対して約ネック一個分上に持ってきて角度を立たせた感じにしたと言うそこは、ネック角26度ほどで落着。そしてフレームメインチューブとダウンチューブを延ばすことで、狙い通りのフロントのカチ上がったチョッパースタイルを入手した。
「ノーマルのネック角が30度ぐらいだと思うので26度は結構立ってる方だと思います。あとこのネックは純正の雰囲気が残るように鋳物の形状を残しているので、そこもこだわった箇所ですね」
カチ上げたスタイルに合わせてフロントフォークも約6インチ延長。一方、ホイールも力点を置いた部分で、当初は前後共にインベーダーホイールを装着。が、リアのみ損傷してしまったためにスポークタイプに変更し、そのスポークホイールには細さが際立つ3.50サイズのタイヤをセット。またそのリア周りには、フロントブレーキと連動した分も合わせてキャリパーを2連で設置している。
今回はフロントをカチ上げたパートだけでなく細さもテーマのひとつだったそうで、極力ナローなラインを造出。聞けば、リアに19インチホイールを入れたのも、その方がより細いタイヤ幅を選べるからだったそうだ。
さて、他の外装はどうだろう。確かに、同店オリジナルのコヨーテタンクはナローなシルエットを形成するにはことのほか水が合うし、肩幅程度に設計されたハンドルもまた然り。外側へ膨らまず、斜め後方へと軌道を描いたマフラーにも無駄がない。この、横幅と上下高さの均整が今回のチョッパーの基幹となり、ココを抑えて初めて他パーツの肉付けが活きている。
グースネックカスタムを得意としたショップの、本流の脇を流れた一手。ショップ主導で得意分野に呼び込むことなく、あくまでもお客さんマターでいかなるカスタムの要望にもしなやかに応じている。
HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD 1979 DETAIL WORK
FRONT FORK
ネック位置に合わせて6インチ伸ばしたフォークのアウターチューブはショベル純正で、インナーに汎用品を使用。
FRONT WHEEL
フロントに米国製インベーダーホイールをセット。当初リアにも装着していたが損傷した為にスポークに換装。
OIL COOLER
フレームのダウンチューブ右側にプロワン製オイルクーラーを。左側にムーンアイズ製予備タンクを付加。
GAS TANK
ガスタンクは遠藤自動車オリジナルのコヨーテタンク。タンクと同色のステアリングダンパーも据え付ける。
FOOT STEP
ミッドコントロールのステップには同店オリジナルの真鍮製ペグを使用。ラウンド型オイルタンクはワンオフ。
REAR END
サイドバッグもオリジナルで、外装のカラーと合わせた19インチホイールには3.50の細身のタイヤを装着。
BUILDER’S VOICE
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