HARLEY-DAVIDSON DIGGER 1970s
SPORTY GARAGE
まさかのオークション登場
ホルストペイントのBACC
チャンスをものにするか否か。二の足を踏まずに、瞬間的に動けるフットワークを持っているかどうかが大きなポイントだ。その点、スポーティガレージの横塚さんは持ち前のフットワークを発揮して、またとないチャンスを見事ものにした。
「ホルストがペイントしたであろうディガーがたまたまオークションに出てた。しかもかなり安く。バイク自体はネス(※アレン・ネス)のではなく、その対抗馬だったBACC(Bay Area Custom Cycles)のやつ。でも逆に、これも良かった。いつか向こうから仕入れて再生させたいと思っていたものだったからです」
もはや逃す理由が見つからない絶好のシチュエーション。そこで間髪入れずに東京から新潟へと向かい、即決でこの、セブンティーズ・リアルディガーを手に入れた。
今回の飛びっきりのチャンスはネットオークションという誰もが参加可能なオープンな場で生まれたもの。しかし、このディガーの希少性の高さを理解する人は、同じタイミングでは現れなかった。幸運の女神が横塚さんに微笑んだわけである。
’70年代のカスタムペインターであるホルストは、当時のネスが手がけたディガーを塗っていた人物。言わば、知る人にとっては神格化された存在のペインターであり、更に今回は、ネス製ではなくBACCである。
「ディガーといえばやっぱりネスですよね。僕も当初はそうで、彼が量産していたキットを使ってバイクを作ったんですけどあまり期待したようには走らなかった。近所を走って帰って来るだけにしか使えないんですよね。なんかもうスクーターになってしまって」
そこから当時ライバルのロンシムズ率いるBACCに興味を持つようになったそうだ。スプリンガーが主流のなかテレスコフォークを装着した『走りのディガー』。そこに先のチャンスが到来した。
年を取るにつれて、『物』との胸躍る出会いというのは減ってゆくものだ。いや、そんな出会いがある人の方が少数だろう。しかし、横塚さんは期せずして、自分にとってのお宝を入手。そして、今ある、ありったけの思いをこの1台にぶつけた。
フレームとフォーク、外装はそのまま使い、他は当時のBACCがやったであろうテイストに手が加えられた。エンジンのクランクケースとウェーバーに換装したキャブは、コストヘビーは承知でここぞとばかりにゴールドメッキを施し、シリンダーは6角形に削った。そして、手元に保管していた秘蔵の彫金カバーも惜しみなく投入。スイングアームもメッキ処理することで、ゴールドの美しい輝きと吸い寄せ合うかの調和を見せている。
当時のカリフォルニアを駆け抜けた、リアルなセブンティーズディガー。横塚さんの手により細心の注意と、最上の敬意が払われここに結実した。
HARLEY-DAVIDSON DIGGER 1970s DETAIL WORK
HANDLE
ディガーといえば手前に大きくベントしたティラーバーである。考え抜かれたポジションと操作性を両立。
FRONT FORK
フロントフォークはレッドウイング製。BACCはもともと同ブランドのテレスコを使用していたそうだ。
FRONT WHEEL
19インチのセブンキャストホイールをセット。ブレーキは左右ダブルで強力なストッピングパワーを確保する。
GAS TANK
‘70年代全開のホルストによるペイントワーク。真似ることは出来てもこの空気感は決して出せないであろう。
ENGINE
金メッキと彫金カバー、シリンダー加工のフルコース。ディガーとゴールドカラーの相性はこれ以上ない。
REAR FENDER
フリスコフェンダーと6角ボルトを使ったストラットのマッチングにリアルな70年代を目の当たりにする。
BUILDER’S VOICE
SPORTY GARAGE
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