M.C PECKERS

エムシーペッカーズ（愛知県豊橋市）

SHOP

January 28th, 2021

部品もノウハウも専門ショップもない。そんな何もなかった時代からただ一人、しゃにむにチョッパーを作り続けてきたショップだ。創業は1988年。気付けば一部のファンの間で『チョッパーの聖地』と呼ばれるそこには、昔と何ら変わることなくロングチョッパーが雄々しく立ち並んでいる。

『キャプテン』の愛称で呼ばれる主の鈴木さんを慕う人は同業プロフェッショナルにも多く、手掛けるチョッパーを始め、オリジナルパーツに心酔する作り手は後を絶たない。それは氏が決して譲らない精度の高い物作りとデザインとの融合にある。

「自慢しとるみたいで言いたくない。でも他人が乗るわけだから抜け目はないつもり。あとチョッパーはシルエットが重要だよね。自分の乗ってる姿を夕方なり朝なり影でぱっと見た時にドキッとする。それが魅力かなって」

今でもほぼ毎日2、3時間はチョッパーに乗ると言う。それは単純に、走りたいから。試乗なんかじゃなく『私情』で乗ってるんだと笑う顔には、好きが溢れている。

ファクトリー横の店内は憩いの場とされる。お客さんと談笑しているとあっという間に時間が経ってしまうそうで、その為作業は12時近くまで夜に集中して行うことが常だと言う。

チョッパー製作からエンジンワーク、ペイントまですべての作業を自社で完結する。そもそも何も無かった時代から自分一人でやってきた氏にとってはこれが当たり前の姿とのこと。

図面を引き精度を追求して初めて世に送り出すという姿勢を一貫。スタイルと安全に走るためのクオリティを高次元で合わせた物作りが同店の身上で、その乗り心地にも定評がある。

「男は一回はロングチョッパーに乗ってみたい動物だと思ってた。それは今でも変わってない（笑）」とキャプテンは話す。チョッパーに情熱を注ぎ続けるこの道30年以上の頭分。