H-D XLH1200 1995
SUN MOTORCYCLES
同じ目線で疾走する
コントロールの良い怪腕
居心地の良いショップには自然と人が集まるもの。広島の『サンモーターサイクルズ』には平日にも関わらずぽつぽつと人がやって来ては帰りを繰り返し、そのゆるやかな流れが終日続く。また訪れる年齢層も幅広く、特に最近は若めのお客さんの出入りが多いようだ。それを聞き、その事実がそのまま二輪業界の未来を暗示しているようでなんだか心が弾む。
代表の立岡(たつおか)さんを始めとしたスタッフの距離がお客さんと近いのがきっと、人が集まる要因のひとつだろう。このXLH1200は、そんな立ち位置で相談に乗る立岡さんがオーナーの意向をくんで製作したものだ。
「まずスプリンガーを組みたいと。あとは出来るだけコンパクトに。リア周りのシーシーバーも垂直にカチ上げるイメージで、ハンドルもそれに合わせてチョッパーテイストに作ってます」
フロントフォークはプロトの74スプリンガーを選択。若干値は張るが、ロッカーとアクスルの結合部にブッシュではなくベアリングを採用した性能面を買って装着したものだと言う。
「やっぱりシーシーバーなんかもオーナーのこだわりがありました。テールランプもこの角ばった感じの物を付けたいというのがあったんで、その辺に時間はかかってますね」
往年のビンテージパーツを思わすデザインに創作したシッシーバーに、ナイス! MC製のテールランプをセット。シッシーバーの先端やテールランプの角といったエッジ部をあくまでも控え目に押し出すことで、全体の雰囲気に尖った印象を無理なく融和させている。
一方、ソロシートのアクセントもひねりが効く。シート後端の下にはループを這わせるようにメッキ処理した鉄棒をアレンジ。これは純粋にシートの受けとデザインを兼ねたものだ。
「シートの後ろに何かポイントになるような物というので付け足してます。あとハンドルはこの手の形状は絞り過ぎると乗り難いんですよね。だから絞った感を出しつつも乗りやすくというので作ってます」
乗りやすいストリートユースなチョッパー。しかしそのテーマをただ行儀よくトレースするのではなく、ハンドルやリア周りのシッシーバーなどで異端を演じて外しつつも、最終的にはストライクゾーンへとあっさり収めている。
真っ直ぐに、時には大きな弧を描いて『ズバンッ!』と盛大にミットを鳴らす怪腕。詰まるところ、この弾力性のある豊かな球種と敷居の低さが、平日の昼間からゲストを大いに誘い寄せている。
HARLEY-DAVIDSON XLH1200 1995 DETAIL WORK
HANDLE
内側に絞り込んだハンドルは一品製作したもの。絞り過ぎると運転性を損なうため極点で仕上げられている。
FRONT FORK
フォークはプロトの74スプリンガーで汎用のヘッドライトを装着。イエローレンズが表情のワンポイントに。
COIL
コイルはフレームダウンチューブにセット。比較的珍しい箇所に移設されたコイル位置もまたポイントになる。
SEAT
ホールド性を確保したソロシート後端下のステーがアクセントに。シート受けとデザインを兼ねて創作された。
REAR END
フレーム後端を加工してリアショックを設置。ウインカー以外のスイッチ類はサイドカバーに埋め込まれる。
SISSY BAR
シッシーバーを垂直気味にマウント。その先端の造形と連携を計りナイス! MC製のスクエアランプを合わす。
BUILDER’S VOICE
SUN MOTORCYCLES
住所 | 広島県広島市西区横川新町2-1 |
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電話 | 082-296-0330 |
FAX | 082-296-0330 |
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営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 火曜日 |