RUMBLE ENGINEERING

傷んだ翼を蘇生する
羽ばたきの旧車保護区

ハーレーの旧車乗りの間では尊敬の念を持って知られた『修理屋』である。同業プロショップからの信頼も厚い同店には、全国から望みをたくしてやって来る車両が鎮座。「ここならきっとなんとかなる」。そんな期待をつないだ旧車ラバーの最後のシェルターとして、代表の渡邊さんは日々孤独な作業に埋没する。

「大事にしてるのはお客さんに対して誠実であること。嘘をつかない。いつどこで見られてても恥ずかしくない仕事をするというか、まあ我がまま言って古い車両だけを触って来たんで、その年数とやって来た濃さというのはあるつもりです」

2000年の創業から、主に’70年代までの車両に軸足を置いて技術を錬磨。氏にとってはその時代の乗り物までがテンションの上がる佇まいをしているそうで、情熱を注いできた分の時間が才知となり、トラブル解決にあたって最短距離で答えを導き出している。

真面目に嘘をつかないこと。腕のある壮士が頼りにするのはしかし、技術ではなく、あくまで人と人の信頼関係である。