ハーレー エボリューション 2015のカスタムチョッパー

HARLEY-DAVIDSON EVOLUTION SPCN 2015
CUSTOM FACTORY BB

September 26th, 2017

天高く舞う
無敵のファイター

2015年度のスペシャルマシン、『ZERO FIGHTER(ゼロファイター)』。広島のカスタムファクトリーBBが海外のカスタムショーに出展し、アワードを多数獲得したフルスクラッチの一台だ。LAカレンダーモーターサイクルショーでのBEST OF SHOWを始め、スタージスのローランドサンズショー、ラッツホールカスタムバイクショーなど、錚々たるアワードに輝いた、いわば日本の誇りである。

ハーレー エボリューション 2015のカスタムチョッパー

「これはね、元々アメリカのベネフィットパフォーマンスという所が作ったエンジンがあったの。ハリウッドの映画スターかなんかが注文した物だったんだけどキャンセルになってね。それで、誰かこのエンジンを使ってアメリカのカスタムショーに出すようなバイクを作ってくれないかって、僕に話が来た」

ハーレー エボリューション 2015のカスタムチョッパー

代表平田さんと交流のあるLAのパーツディストリビューターから直々に相談があり、「じゃあやってみよう」、とプロジェクトはスタート。そして、仕上がったマシンの評価は先に挙げた通りである。が、氏はそれを自慢するでもなく、いつもの柔和な表情で、「アメリカのショーに持って行って喜んでもらった。まあそれだけだよね、他にはなんもない(笑)」、と特別意に介した様子はない。しかしこの大らかな人柄が、周りから慕われる平田さんの人間力でもある。

ハーレー エボリューション 2015のカスタムチョッパー

「イメージしたのはゼロ戦。まあそういうイメージなんじゃけど言われんと分からん(笑)。あとは日本の和的なものをペイントやホイールで表現した。雷とか雲とか日本古来の柄を取り入れてる」

ハーレー エボリューション 2015のカスタムチョッパー

外装はもちろん、ホイールやフレームに至るまでをワンメイク。ちなみにフレームに関しては、納得ゆかずに3度もやり直したセクションである。只でさえ気が遠くなるような作業の繰り返しであることを考えると、その労力たるや尋常でないのは想像に容易い。更にホイールも、当初作った20インチではサイズ感がイメージに合わず、マシニングで再度23インチバージョンを削り直した部位だ。それをどこか楽しげに語る氏を前に、もはや言葉が見付からない。

ハーレー エボリューション 2015のカスタムチョッパー

「作ることは本職だからイメージさえ出来れば形になるけど、形にした時に違うとなればタンクにしてもフレームにしても作り替える。まあその辺の全体のバランスが大変かね」

妥協せず、日本古来の『和』の美しさを高らかに描く。そして、そのキャンパスに選んだのは誉れ高き、ゼロ戦。日本のアイデンティティを象徴するゼロファイターという鳥は天を飛翔するが、梢にとまって巣を作るということをしない。

HARLEY-DAVIDSON EVOLUTION SPCN 2015 DETAIL WORK

ハーレー エボリューション 2015のフロントフォーク

FRONT FORK

テクニカルなデザインのリーフスプリングフォークはオリジナルの一品物。無論確実な強度が確保されている。

ハーレー エボリューション 2015のガスタンク

GAS TANK

見事なシェイプのガスタンクトップのオーナメントは、広島のシルバージュエリーブランド『タウジャン』の作品。

ハーレー エボリューション 2015のエンジン

ENGINE

キッカケとなったベネフィットパフォーマンスの1500ccモーター。ロッカーには日本古来の和柄が入る。

ハーレー エボリューション 2015のシフトノブ

SHIFT KNOB

同店と交流のあるタウジャンによるシフトノブ。普段作ることの無い作品は両者のフレンドシップにより実現。

ハーレー エボリューション 2015のマフラー

MUFFLER

全体と調和したショートマフラーはワンオフ。フットステーとシフトロッドはツイストを入れた手の込んだ造形。

ハーレー エボリューション 2015のリアホイール

REAR WHEEL

リアは削り出しの23インチホイール。そこに雷や雲の和柄を採用する。しなやかなフレームワークも必見。

BUILDER’S VOICE

CUSTOM FACTORY BB

住所 広島県広島市佐伯区湯来町葛原833-1
電話 082-978-1613
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