ZERO ENGINEERING

ゼロエンジニアリング（愛知県岡崎市）

SHOP

January 17th, 2021

地を這うような低く身構えたカスタムスタイルで一時代を築いたショップだ。1992年に創業し、当時の主宰だった木村さんが産み落としたゼロスタイルと呼ばれるそれは、多くのカスタム愛好者を悩殺。現在は2006年より右腕の前田さんに代表が変わり、その不世出の看板が引き継がれている。

「昔からやることで変わったことは特段ないでしょうね。でも今は輸入車ですか。普通だったら金額面や車両の状態でちょっとえらいなっていう内容でもどうにかなることもありますし」

また基本的に、仕入れた車両はノーマル状態で乗ることを勧め、一台と長く付き合ってもらうことを優先していると言う。それはこれまで数々のフルカスタムを扱い、酸いも甘いも嚙み分けてきた氏が提案するベストな形である。

「歳で腰が痛くなって低いのからアップハンドルにしてもフルカスタムの場合とんちんかんになってしまう。それならフレームをいじらずに乗ってた方が形を変えたい時も応用が利くし、好きなエンジンなら長く乗れますからね」

入口に足を踏み入れると左脇と奥に進行中の車両が並ぶ。ハーレーのショベル以前の旧車を中心にして、カスタムから修理まで全般に渡り応対。昔から変わらない光景が広がる。

今は基本的にノーマル状態で乗ることを勧めるが、作業場奥には製作途中のスペシャルメイドの姿がのぞく。同店の名を知らしめたフルスクラッチのDNAを受け継ぐ車両が鎮座。

ゼロといえば人肌の通うハンドメイドのフルカスタムが真骨頂だが、現在は輸入車販売に力を入れているとのこと。作業場には加工全般を行うのに必要な工作機械が完備される。

2006年から代表を務める前田さんは一台を長く乗ってもらうことに配慮。今は作業中の車両がいっぱいなので出来れば気持ちののんびりした人に来てもらいたいと表情をゆるめる。