二輪処つるや

夜遅くまで灯がともる
立ち込めた依頼の山海

店内から店外まで、ぎっちりと車両が入庫している。その限られたスペースを確保して、店主の鶴留（つるどめ）さんは両手に抱えた仕事を淡々と措置。ハーレーのエボリューションからミルウォーキーエイトまでを中心にして、時には近所のおばちゃんが持ち込む原チャリなども直しつつ作業に勤しんでいる。

氏のキャリアはハーレー専門学校の仙台赤門から始まった。卒業後は関西の正規ハーレーディーラーに5年勤め、その後大阪のハーレーショップで2年を過ごし、2008年に今の店を立ち上げた。

「特徴ですか？ 価格が安いっていうのはよう言われますね。抑えてるつもりもないんですけど、まあとりあえずなんかバイクを触ってられればええかなっていう（笑）」

業者からの修理や車検依頼と、お客さんの紹介がほとんどだと言うそこにはバイクが溢れ、絶えずやってくる車両を回転させるために夜遅くまで明かりが灯っている。それは、日が変わる前に家に帰れば奥さんが心配するほど日常的なものになっているそうだ。