SOLID Custom’s

丸めて6輪の帆を揚げる
稀世のカスタムペインター

ある時はビートルタイプワンのカスタムで『横浜ホットロッドカスタムショー』のベストオブショーに輝き、またある時はヤマハXS650のエキセントリックなマシンで業界を沸かしてきた。しかしそもそもの始まりを聞けばカスタムペイント屋で、今年2024年をもって30周年を迎える古強者（ふるつわもの）である。

主人の伊藤さんはペインターとしてキャリアをスタートさせ、以後、知人から頼まれたことから自然な流れで車もバイクも触るようになったそうだ。また、氏のバックグラウンドにはオンオフ問わずレースの存在があり、そこを原点にして日々の作業に汗を流している。

「強みはなんにもない気がします（笑）。でも物というよりは人の方が面白いですよね。ああこの人が乗るバイク作ってみたいなとか。そういうのは強いかもしれない。別に人選ばないですけど」

至ってナチュラルな姿勢で手のひらに工具を収める氏だが、ひとたび本腰を入れれば、周囲の雑音をかき消してしまう技芸を擁した王位保持者でもある。