BELLETT MOTORCYCLE

ベレットモーターサイクル（静岡県島田市）

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April 1st, 2021

すぐ裏手に新幹線が走る高架のそばで、人知れずひっそりと当主の増本（ますもと）さんは旧車と向かい合っている。急くことなくあくまで自分の時間軸で動く氏からは、しっかりと地に足の着いた完熟した安定感が漂っている。

屋号を掲げたのは2011年で、ハーレーを専門にして基本的にはナックルからショベルまでを主体に作業を実施。また、ごく普通のバイク屋を目指してると話す氏は、カスタム屋ではなく一般的な修理屋という認識だと言う。

「なんでも仕事を受けるわけじゃないですけど、まあ自分の出来る範囲で、自分を大きく見せることなくバイクを当たり前の状態に戻してあげるようには心がけてます。純正に準ずるような形で末永く乗れるようにですね」

そのため、変にお金をかけるような意に反した注文は断ることもあるそうだ。商売っ気がないと増本さん自身が笑うように、氏が大切にする『純正の味』を支柱に据えて、しかしそれを押し売りすることなく、自然に同調する人とのつながりを深めている。

全体的に土系の匂いを持つ車両が並ぶ。それは幼少期からダート畑にどっぷり浸かってきた増本さんの趣向が反映されたもので、今も時間を見付けてはコースや林道に足を運ぶ。

作業場には常時数台のカスタムやストック系の旧車が順番を待つ。自分からこうしようああしようというのが全くないという氏は純正の状態に近く、長く乗れるような修理を行う。

幼少期からオフロード一辺倒だったが青年期にハーレーの魅力にのめり込む。しかし現在もリックマンや現行モトクロッサーでオフを駆けるなど、バックボーンはダートにある。

下手に高価なパーツを付けるぐらいならそのお金をガスやタイヤ、あるいは旅行代に回すべきだというスタンスで運営。カスタムは飾らない土系の『色』を持ったキリングスタイル。