
H-D KR 1953
A.A.R.× SPEED-ONE
家族ぐるみで楽しむ
ビーチレースの三角絞め
石川県金沢にあるフラットヘッドエンジン専科『A.A.R.(エーエーアール)』。WLファンなら一度は耳にしたことがあろう知名店だが、今回A.A.R.店主の宮崎さんから入手した’53年式KRを主人公にして、その足取りを読み合わせていこう。

以前より宮崎さんと交流のあった埼玉の旧車粋家『スピードワン』が入手したのが事の発端である。数年前より砂浜レースに参戦するようになったことで、ずっぷりと蠱惑(こわく)的なフラットヘッドの沼に浸かり込み、今回はKRの出物に食指が動いたそうだ。
「速くて面白い車両が欲しいなって。で宮崎さんに相談してみたらバラバラのKRなら今あるよって。それで見に行って、買っちゃおうかって。条件が合えば売ってもいいということだったのでそこで買わせてもらったんです」

カセット型ミッションではない’53年式ということで若干敬遠されがちなモデルだが、逆に初期モデル固有のアキレス腱的な点に魅力を感じて購入。そして、フレームにフォークとタイヤが付いただけのまっさらな状態から、A.A.R.の手で装い新たに醸造されていった。
ケースの割られたエンジンから組み直し、ミッションも同様にギヤ一つずつを精査していきオーバーホール。
純正フォークや当時物のパーツを取り入れたレーシングスタイルで納車されたのがさかのぼること約2年ほど前で、そこから少しずつ『スピードワン』の方でアップデートされた。

内燃機とミッションはそのままに、キャブをリンカートMR-4からFCRに換装。そして純正フォークはガタが生じてきたため伊国セリアーニ製に入れ替え、それに合わせてガスタンクとシートもダートラ用に変更。
更にフロントのホイール周りにはダブルカムのホンダCB250セニア製を流用した。この辺の通なパーツ選択は、国産旧車に造詣の深いスピードワンならではの視界の広さだろう。

「でも結局FRPのタンクはレースで割れちゃったのでまた交換してます。あとはこのバイクがかなりローギヤードですぐ吹け切っちゃうのでその辺ですよね」
まだ満足に走れていないと笑い飛ばすこのKRを快走させるには、おそらくミッション本体の改良しかないと踏んでいる。どうやってアレンジしていこうかと、方々(ほうぼう)で情報収集をしながら思量を深めているところだそうだ。

せっかく手に入れたからには安全に、速く。そんな砂浜レースのコンセプトと合致する、構えたところのないフラットな楽しみ方がこのKRから差し込まれる曙光である。
HARLEY-DAVIDSON KR 1953 DETAIL WORK

HANDLE
ハンドルはフォーク交換と一緒に22.2mmのダートトラックバーに交換。グリップ周りも極力シンプルにまとめた。

FRONT FORK
フォークは元々付いていた純正フォークにガタが出てきたため一新。イタリアの名品セリアーニ製を装着した。

FRONT WHEEL
国産旧車パーツからの流用もスピードワンのアドバンテージだ。ダブルカムのホンダCB250セニアを使用。

GAS TANK
元々はFRP製ダートラ用タンクが割れてしまったことでこのビッグタイプを設置。今では逆にポイントになる。

PRIMARY COVER
深紅のプライマリーとエアカバーは納車時から付いていた一品。キャブ変更しても、加工して装着をキープ。

SEAT COWL
FRP製シートカウル。公道使用ではなくビーチレースユースのため余計な装飾を排した土っぽいスタイルに。
A.A.R.
| 住所 | 石川県金沢市専光寺ワ59-1 |
|---|---|
| 電話 | 076-267-8511 |
| FAX | 076-267-8522 |
| SHOP | A.A.R.のショップ紹介 |
| 営業時間 | 11:00 ~ 20:00 |
| 定休日 | 土曜日 |

H-D FXE 1980






















