
H-D FLSTS 1991
WHEELERS
こだわりが幻影を生む
陶然のリジッドスタイル
ハーレーのショベルヘッド以前のオールドバイクを中核とするショップだが、実際のところはエボリューションからツインカムまでとつつがない。今回は、にわかにオールドバイクの仲間入りを果たしつつあるエボリューションを使ったカスタムである。

ひと昔前であれば、エボリューションエンジンがオールドハーレーの枠に傾いていくことなど想像だにしなかったが、よくよく考えてみればこのエンジンの誕生は1984年である。
今から40年も前に開発されたモデルが現役で首尾よく走っていることを踏まえれば、あながちその将来的なオールドハーレーのカテゴライズも間違ってはいないだろう。
ショベルヘッドに見られる旧車感をほんのわずかに取り持ち、ツインカム以降にはないアナログ的素性の良さを保持。ちょうどその中間で、双方の旨味をもろ手で抱きすくめるのがエボリューションゆえに、隠れグルーピーの多いモデルでもある。

ベースは、1991年式のFLSTS。オーナーからの持ち込み車両で始まったカスタムは、外装一式フルチェンジという依頼でやらせてもらったものだと、店主の大原さんは話し出す。
「事前に写真でこういうイメージが好きですというのを教えていただいて。あとはそれをウチなりに解釈してカッコいいと思うスタイルで作らせてもらいました」

当初はシンプルな完成形を予定していたが、その中でも他と違う作りを取り入れたいということで、ハイライトにフレームラインを一新。通常シート下の骨格部分にはサブフレームと呼ばれるソフテイル固有の無粋なフレームがあるが、それをカッティング。
しかしここまではたいていのカスタムショップも慣れ親しんだ工程のところを、そのカット部分を徹底的にリメイクした上でスムージング。あたかもリジッドフレームのような自然さでフィニッシュした収穫はそうそう目にできないものだ。

そして、この種のカスタムだとどうしても全体的に間延びしたバランスになってしまうのを嫌い、ガスタンクの設置箇所や、マフラーのレイアウトといった部分で調整。
ホイール径をノーマルの前後16/16から21/18へとインチアップして軽快感を出しているのも抜き差しならないアドバンテージだ。

「リアのフレーム周りが他にないスタイルというのと、マフラーのラインが結構僕的にはバシッと決まったかなと。結構このマフラーとかは海外のバイク乗りの方からも反響があって、良いバイクが出来たと思います」
HARLEY-DAVIDSON FLSTS 1991 DETAIL WORK

HANDLE
ハンドルにラビットバーを装着。グリップやレバー、マスターカバーなど各所のブラスパーツがアクセントに。

FRONT FORK
フォークは純正スプリンガーを採用。エボリューション特有のルックスと剛性の高さで根強い人気を誇るパート。

GAS TANK
マウント位置を吟味して設置したピーナツタンク。打ち合わせを重ねたグラフィックはKアートガレージが担当。

FOOT CONTROL
エボリューションエンジンと相性の良いビレットミッドコントロールは山梨県ビッグマシン製を選択した。

FRAME WORK
本来あるメインフレームとスイングアームとの接合部のサブフレームを切断。満身を込めたリジッドルックに。

MUFFLER
凄く目を引くラインが出せたと、作り手が自身を持つワンオフマフラー。全体のバランスを計ってレイアウト。
BUILDER’S VOICE
WHEELERS
| 住所 | 愛媛県宇和島市吉田町知永4-199-1 |
|---|---|
| 電話 | 0895-24-1536 |
| FAX | 0895-24-2528 |
| SHOP | WHEELERSのショップ紹介 |
| 営業時間 | 10:00 ~ 17:00 |
| 定休日 | 木曜日、第1・3日曜日月曜日 |

YAMAHA SR400 1995
H-D FXDX 2001




















