
H-D FXRP 1992
VIDA MOTORCYCLE
甘い罠で覆われた
末広ポリススタイル
玄人が過ぎるバイクである。派手なカスタムは一切せずに、淡々と、頭のなかに思い描いたフォルムで完結させている。ビルダー大久保さんの美的感覚が番外なのは今に始まったわけではないが、それにしてもである。

ストックスタイルを基調としたFXRPポリス。ノーマルの状態を殺すことなく、絶妙な具合で高度化させたシルエットは多くの乗り手が目指すところだが、ここまで自然かつ端整なものにはなかなか及ばない。
「最初は自分用にと考えていたんですけど、常連さんが気に入ってくれたんですね。カスタム感というかペイントで表現するのをしたかったんで、それに賛同してもらって作った感じです」

元々自分が乗ろうと集めていたポリス純正パーツは、盟友のペイントショップ『420カスタムズ』の手により、想像の遥か上をいく完成度で着地した。当初真っ黒だった外装は白黒のツートンで彩り、車体全体を走るラインは純正幅と同様にしつつも一本追加することで熟度をアップ。
そして前後フェンダーの突端は単調なアールでは面白みがないことからデザイン性を取り入れ、極め付きはリッチホワイトの上に載せた光の加減で浮き上がるグラフィックだ。

しかしこれらは緻密な打ち合わせのもと描出させたものではなく、大枠を打ち合わせた後はペインターに一任し、あうんの呼吸で達したパートナーシップありきの仕事である。この完成度を前に、ペインターとの距離感の密度は推して知るべしだろう。

一方、そのペイントを最大限に活かす外装が大久保さんの真骨頂だ。エンジンとミッションは全てバラしてリフレッシュ、そのタイミングでパウダーコートをやり直している。
次に足周りは、前後のサンダンス製ホイールとブロックス製アルミスイングアームで軽量化と性能向上を計り、リアにオーリンズ製サスをセットし、フロントフォークにはトラックテックスプリングを挿入。
このとき2インチローダウンさせることでフェンダーとフェアリングの隙間を狭め、間延びしない精悍でバランスの取れた全体像を入手。このわずか2インチの加減が巧者の才腕だ。

更に、クリアーを嫌いトーンを落としたライトグレーのフェアリングスクリーンや、同じく渋味を増すウインカーレンズのスモークブラックなど、どのパーツにおいても徹底して自らが膨らませた世界観の演出が成されている。
ストック然としたスタイルながらその実、むせぶほどの甘い罠が張りめぐらされた術中にはまってしまう。
HARLEY-DAVIDSON FXRP 1992 DETAIL WORK

HANDLE
メーターブラケットとライザーはクラウス製をチョイス。ハンドルにはジョイライド製スーパーバーを装着。

FAIRING
純正フェアリングにクリアビューシール製スクリーンをセット。ツートンカラーの塗装は420カスタムズが担当。

FRONT WHEEL
ホイールは前後共にサンダンス製エンケイホイールを。ディスクはガルファー製でブレンボブレーキを合わす。

GAS TANK
タンクも純正を採用。ツートンカラーをベースにしてピンラインや光の加減で浮き上がるグラフィックが入る。

REAR WHEEL
ブロックス製アルミスイングアームにエンケイホイールをセット。ステンマフラーはオートスポーツ製を配備。

REAR END
リアのサイドバッグも希少な純正品を使用。主張の強い部位を全体バランスとカラーリングで巧く調和させる。
BUILDER’S VOICE
VIDA MOTORCYCLE
| 住所 | 福岡県遠賀郡芦屋町芦屋1148-3 |
|---|---|
| 電話 | 093-223-0701 |
| FAX | 093-223-0704 |
| SHOP | VIDA MOTORCYCLEのショップ紹介 |
| 営業時間 | 9:00 ~ 18:00 |
| 定休日 | 第3日曜日 |

H-D XLH 1965
THUNDER MOTORCYCLES HARDTAIL







