H-D FLTRXST 2022
LUCKYS CYCLE SUPPLY
思い知らす
現実の遠い話
スピード性能に一歩も二歩も踏み込み、自身で実走し、納得した上で初めてカスタムにあたっている兵庫の『ラッキーズサイクルサプライ』。それぞれのマシンが持つパフォーマンスを引き出すことを命題に、どのカスタムショップとも混線しない独自の路線を疾走する関西エリア有数の辣腕家だ。
市場で販売されるニューモデルのいち早いチェックや、最高速を競い合うドラッグレースへの長年の参戦など、主人の澤田さんが張り巡らすアンテナの感度と、『スピード』への入れ込みようは生半可ではない。そしてこの本気の度数が、同じ肌感覚を持ったお客さんを片っ端から酔わすマテリアルでもある。
今回手を付けたのは、2022年式のロードグライドST。既にドラッグストリップも走らせたこの個体の懐には、去年リリースされたスクリーミンイーグル製135ci(約2212cc)ステージIVパフォーマンスクレートエンジンを搭載。
Tマンパフォーマンス製カムとバルブスプリングの換装で、旬なモーターをすかさず実用レベルに落とし込む才腕は毎度のことながら鮮やかだ。
では、『走り』の贅(ぜい)を脇で固める改良箇所にも触れていきたい。まずスイングアームだが、ここにはAMAやNHRAといったプロストックドラッグマシンのシャシーを製造するトラックダイナミクス製を戦備。
ノーマル比で約半分の重量となることで、サスのプリロードのかかり具合が全く変わると言う。また、路面からの跳ね返りの速さも顕著で、タイヤの空気圧が変わったのかと錯覚するほどだそうだ。
制動装置も当然怠りなく、最良の手法で地固めされた。曰く、ブレーキはモノブロックのブレンボ製に換えてるだけと話すが、フロントローターを大径化することでラッキーズ固有の美肴(びこう)を膳立て。
直径を300から330mmに上げてくだりの制動性をアップさせるものの、逆にリアはノーマル径を維持。これはリアに手を加えても進化したABSの介入で徒労に終わるからで、今回リアキャリパーを変更したのはあくまで見栄えの良さが理由である。
「テーマは特別ないです。乗り手が一緒にドラッグレースもやってるベテランなんで、まあ手軽に走れるように。ベース車両としてはCVOモデルほど高額でもないですし(笑)」
出力約150馬力のマシンだ。既にこのスタイルのまま何度かサーキットも走らせているそうだが、これを手軽に走れるバイクと、まばたきするようにごく自然と形容する時点でいろいろと思い知らされる。
HARLEY-DAVIDSON FLTRXST 2022 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドルとライザーは米国スラッシンサプライ製を装着。三つ又のトップブラケットのみ同社製をセット。
FAIRING
純正フェアリングのアンダーカバーのみCVOモデルから流用。フォグ&ウインカーとヘッドライトはバハ製。
FRONT WHEEL
ノーマルホイールに330mm大径ローターを。ホフマンデザインのカーボンフェンダーとブレンボキャリパーを装着。
FOOT CONTROL
ブラックのフットコントロールはPM製。そこにドラッグレースで重用されるクイックシフターを配備する。
MUFFLER
ホースパワーインク製2イン1のステンマフラー。重量半分のアルミスイングアームはトラックダイナミクス製。
REAR END
カーボンフェンダーに、ショックはバッグの取り付け可能なスクリーミンイーグルとオーリンズのコラボパーツ。
LUCKYS CYCLE SUPPLY
住所 | 兵庫県加古川市尾上町養田431-6 |
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FAX | 079-422-5660 |
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