H-D FL 1956
Ludic Motor Cycle
みぞおちに押し込む
紫煙のセブンティーズ
各所を丹念に作り込みコンパクトにまとめたカスタムマシンと、前方へ優雅に伸びるロングフォークチョッパー。この対照的なカスタムスタイルを、お客さんの要望をくみ取ってこともなげに操舵しているショップだ。
どちらがどっちということもなく、求められるままに、相手の勘所を察してベストな選択を用意。とはいえ、話を進めてみると、若干ロングフォークの側に店主橋本さんの余情はあるようだ。
「セブンティーズが好きなんでこのカタチです(笑)。オーナーさんが僕の所にこの車両を持って来て、整備とか車検もろもろ含めてっていうのが最初の始まりです。そこから僕が乗ってた車両を見て『それが良い』っていうので同じような形に作った感じです」
なるほど。よくよく聞けば、好み的にロングフォークの方に余情があるどころか、自身が乗っていたスタイルということでド真ん中である。この真性のチョッパースタイルが氏の心を通わすところであり、尽きない愛情を注ぐホットスポットだ。
そこでまず、ガスタンクとリアフェンダーのカスタムから始め、車体の長さやハンドルの高さといった橋本さん所有のチョッパーのシルエットへと徐々に近づけていったと言う。しかし最初から一気に変えたのではなく、順を追って手を加えていったというその話に、決して乗りやすくはない、自らもチョッパー乗りだからこその配慮が透けてのぞく。
「最初にカスタムして、それに少し乗ってもらった後で一式全部変えましょうかって。シーシーバーやマフラーは僕が作ったやつで、あとはステップ周りの変更とかもですね。やっぱり自分のバイクと同じってことで嬉しかったですね」
ぜい肉を廃した見事なトライアングル型の骨格に、8インチオーバーのパウコ製スプリンガーをセット。前後21/16インチホイールには王道のインベーダーを合わせ、ハンドルはエイプではなく更に一段高いスカイハイバーを迷いなく選択する。
そこにマフラーやシッシーバーといったワンオフパーツや、荒々しさを打ち出す剥き出しのチェーンドライブを首尾よく投下。奇をてらわずバッチバッチにメイクした、『これぞチョッパー』的スタイルで仁王立ちさせている。
「ここまでのセブンティーズのオーダーはそんなに多くはないです。どうしても乗ってると疲れちゃうんで。やっぱりラクして乗りたい人はなかなかこのバンザイスタイルは辛いかなっていう。でも自分の好きなスタイルなんですよね(笑)」
HARLEY-DAVIDSON FL 1956 DETAIL WORK
HANDLE
思いきりよく上方へとカチ上がるスカイハイバー。エイプハンガーより一段高いハイトが固有の雰囲気を増す。
FRONT FORK
フォークは8インチオーバーのパウコ製スプリンガー。前後のホイールにはインベーダータイプを合わせる。
GAS TANK
‘70年代のスタイルを念頭に、タンクはマスタングを選択。塗装はオレンジベースに同系色でフレイムスを描出。
ENGINE
既に前オーナーが腰下まで手を入れていたというパンヘッドモーター。EキャブにエアカバーはFORK製。
CHAIN DRIVE
一次と二次ドライブともに剥き出しのオープンチェーンとされる。更にシフトリンケージもチェーンで統一。
SISSY BAR
鉄の平板を3枚使い、H型に曲げて製作したシッシーバー。テールライトにロンフィンチ製を用いレンズのみ変更。
BUILDER’S VOICE
Ludic Motor Cycle
住所 | 栃木県栃木市大平町西水代1985−2 |
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電話 | 0282-80-9401 |
FAX | 0282-80-9401 |
SHOP | Ludic Motor Cycleのショップ紹介 |
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