H-D SHOVELHEAD 1978
ENDO AUTO SERVICE
遥かに浮かびあがる
アイソトニックな心像
車高を低くおさえたロースタイルのカスタムバイクを数多くリリースする、群馬県筆頭のカスタム屋である。そのショップカラーにもなる重心を落とした特有のフォルムを持つ一台は、派手やかなピンクと各所に配したゴールドパーツがまばゆく光りを反射させ、目の前に七彩の世界を描出する。
「元々は店頭に並んでいた車両を選んでもらって、そこから少しずつですね。オーナーさんの希望が膨らんでいってここまで完成されたんですけど、正直店頭にあった状態から残ってる部品はほぼないです(笑)」
オーナーの求めに応じて始まったプロジェクトは、原形を全く留めない姿へと変貌。フレーム以外の部分にはたいがい手を加え、一番最初の形がどんなものだったか覚えていないぐらいだと、番頭の大柿さんはにこやかに振り返る。
マシンのスタイル的には前後16インチホイールに74スプリンガーフォークを配備。そしてローマウントのピーナツ型タンクに、リアフェンダーにはシンプルなフラットタイプを選択。秩序の保たれたオールドスクールなチョッパーに仕立てるが、要所に配した色味のアクセントが固有の興趣(きょうしゅ)を生んでいる。
「オーナーさんが真鍮部品がお好きだったのでなるべく端から端まで何か良いものを選んで入れましょうと。あとペイントですけど、ピンクの地の部分は紫がかった黒にしてるんです。なんでただの黒じゃないこの部分もこだわりですね」
スプリンガーのトップボルトやグリップ、ヘッドライトリム、エンジン周りなど、ゴールドパーツをふんだんに用いるが、あくまでワンポイントの範疇を越えない加減を心得た作り手が腕をふるうために嫌味がない。むしろそのアクセントがマシンの襟足を正し、ドレッシーさを味方につけている。
また、シートのきめ細かなカービングにも着目したい。オーナーがレザーアイテムに深い関心を持っていた為に決定したパートだそうで、製作は同じ太田市内の『大和工房』が担当。表のカービングもさることながら、厚革の使用で20年30年は余裕で持つ耐久性が与えられていると言う。そしてこうした打合せをショップ任せにせず、オーナー自ら直接職人と行った姿勢からもこのバイクに対する向き合い方がうかがえよう。
「シートはわりとオーナーさん発信でしたね。それとこれはコンパクトな車両ですけど、高身長の格好良い方なんです。なので乗った姿はアメリカで見るような絵になる映像だと思います(笑)」
HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD 1978 DETAIL WORK
HANDLE
手前に引いたハンドルはワンオフで、カスタムテック製レバーとキジマ製グリップできらびやかに演出する。
FRONT FORK
ネオファクトリー製74スプリンガーに汎用ミラーとヘッドライトを装着。ライトリムには金メッキを施した。
GAS TANK
ピーナツタンクをローマウント。ペイントは一見黒に見えるが濃いパープルとし、その上にピンクカラーが入る。
ENGINE
エンジンロッカーボルトなどに真鍮パーツを採用。キックペダルやポイントカバー、マフラーエンドはオリジナル。
OPEN PRIMARY
好きな文字が刻印できるプレッシャープレートとシフトノブ、フットペグはオリジナル。真鍮品を巧みに配す。
SEAT
カービングシートは大和工房に特注した物でシートスプリングにも金メッキを付加。オイルタンクはオリジナル。
BUILDER’S VOICE
ENDO AUTO SERVICE
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