BMW Motorrad R 18 2021
RIDER HOUSE DREAM

湯気立つ景色を生む
アイコニックな律動

BMW Motorradの長い歴史の中で、エポックメイキングなモデルとして2020年に発表された『R18』。何より目を引くのは威風堂々たるクルーザースタイルで、その懐にはこれまでの最大排気量となる1800ccモーターを搭載。この既存のBMWのスタイルにはない、長距離を悠々と安楽にこなす新機軸のモデルは異彩を放ち、確固たる世界的メーカーに新たな風を呼び込んでいる。

そして、R18が内包した秘めたる趣（おもむき）に目を付け、この車種にのみ特化して専心するのが佐賀県の『ライダーハウスドリーム』だ。店主の坂本さんは約2年ほど前に手に入れたのを機に、その面白さを手放しで評価。今ではカスタム製作と並行して、オリジナルパーツも随時製作している。

「BMW初のクルーザーバイクをアメリカンスタイルに持っていった車両になります。前後にロングフェンダーを付けることでより低く、長く見せています。パーツに関しては台湾のDKデザインの物を多く使ってるのでそこのコンプリート車両になるかもしれませんね」

フロントカウルもDKデザイン製で、マフラーは氏が「間違いない」と太鼓判を押すジキル&ハイド製を選択。他に、オリジナルパーツのバーエンドウインカー対応のウエイトを始め、アクセサリーのエンジンプレートやガスキャップなどを各所に設置。大判な部位との緩急を巧みに使い分けた構成でまとめられた。

また、特に苦労したのはホイールとのことで、純正ホイールをバレル研磨でポリッシュ仕上げ。そこに派手めな差し色を欲してニップルをゴールド化し、ホイールの存在感を高めている。

「社外ホイールもあるんですけど今回は純正ホイールでやってます。ヴィンテージ感を出すためにポリッシュして、あとは外装だけでなく中味も変えてて、リアサスにはYSSに特注した分を付けてます。純正だと腰が痛くなるんですけどかなり改善されますね」

オーダーメイドしたサスペンションをリアに、フロントには独国ウィルバース製をセット。相対的に硬めの足周り設定となるR18を乗りやすく、ソフトな乗り心地としたそうだ。こうした走ることでの不快感は、普段から多くの国産バイクを触り、調子を見てきた坂本さんにとっては払拭すべき当然の箇所である。

「本当に面白いんで沢山の人に知ってもらいたい。これはエアクリーナーとマフラーを換えてるんですけど、それだけでロックモードでは開けれなくなりましたね。まあすぐ慣れますけどほんとにパワフルなんですよ」

FRONT END

純正フォークに台湾のDKデザイン製フロントカウルとフェンダーを装着。塗装はアルピナグリーンに近似させた。

BAR END WINKER

元々あるバーエンドウエイトをウインカー対応にアップデイト。ステンレス製で製作したオリジナルパーツ。

GAS CAP

ガスキャップはオリジナル品で、ブロンズの他にメッキとブラックを用意。ライザートップカバーは現在試作中。

ENGINE

BMW Motorrad史上最大の1800ccの伝統的ボクサーツインエンジン。装飾したブロンズプレートは観賞用となる。

SEAT

R18の100周年限定モデルに倣って単一で作製。尻と腰に負担がかからないよう配慮し低反発スポンジで完遂。

REAR END

マフラーはJMCAとEマーク取得のジキル&ハイド製。リアシートを外した際にボルト穴を塞ぐカバーはオリジナル。