H-D SHOVELHEAD
LOWS MAGIC MACHINE
隊列を組んで疾走する
ワインディングの扇情
甲信越地方でフリスコスタイルに強いチョッパー屋といえば、真っ先に名前の挙がるショップである。「長野県にロウズマジックマシンあり」。もし今が戦国時代だとすれば、どんな腕自慢の武将でも迂闊(うかつ)には攻め入れない強固な地盤を築いた砦がそこにある。
どしんと構えた器で人望を集める店主の福原さんによれば、飛ばすのが好きなオーナーに合わせて当たり前のことが損なわれていないチョッパーを目指したそうだ。
「お決まりの文句かもしれないけどしっかり走って曲がって止まる。走りやすいチョッパーを作りました。まあそうするためにフレームのネック周りを加工したんですけど、あまりカスタムした風ではなく自然な感じに見えるように気を付けてます」
ポイントは、乗り心地が悪くならないよう、車高を稼ぐために前上がりとしたフロントフォークである。最初から6インチオーバーのインナーチューブを手配し、それに合わせてネック位置も上方へ移行。ネック角は以前30度で製作した際に若干寝てる感じがしたことから、それよりも少し立たせた状態に設定。そして、実際にフォークを付けて前上がりの状態にした時バランスが取れるようにフレームワークが進められた。
もちろんリジッドフレームとは言え『ガチッと走れる』のが前提で、そのためネック周りなどの補強方法にも気を配り、確実な強度と剛性を担保。その上で次に、ガスタンクやフェンダー、マフラーといった外装系に着手。それらメインパートはほぼワンオフで作られ、これまで数多くのフリスコスタイルを産み落としてきた福原さん固有の下味で武備された。
「リアフェンダーサポートのシーシーバーは遊んで作ったというかお気に入りの部分ですね。よそのカスタムとはかぶらないデザインで、まあやりはしないけどウィリーする時に足かけるみたいなノリで作った感じです(笑)」
完成度の高いワンポイント的ディテイルを取り入れることで、ロウズのチョッパーはより華やぎを増す。そこにきて決してブレることのない、長野県という山道が多い土地柄ゆえの信条が紐づく。
「ゆっくり走るのも良いけど飛ばすのもカッコいいじゃないですか。だからそんな集団が走ってたら良いなっていうのも単純にありますね」。そうしたチョッパー乗りを自分が働きかけて増やすのではなく、自然と増えていくようになれば良いと、氏は一歩引いた目線で全体を見やっている。
HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD DETAIL WORK
FRONT FORK
純正フォークは6インチオーバーで、インナーチューブにDLCコーティングを施行。三つ又も純正を採用する。
FRONT WHEEL
19インチホイールにローランドサンズデザイン製を選択。前後フェンダー共にラスワーニモントデザインズ製。
GAS TANK
2003年前後のスポーツスタータンクをベースに加工し、フレイムスを塗装。車格に合わせジャストな位置で装着。
MUFFLER
TWOブラザーズレーシング製フルエキのサイレンサー部のみを使用した贅沢な一品。エキパイ部はワンオフ。
SEAT
ホールド性/クッション性良好なワンオフシートをセット。また現在ストップ中だがオリジナルシートも展開。
SISSY BAR
福原さんのお気に入り箇所のシッシーバー。中央部はゴムグリップで内部カラーと、両サイドステーは単一で製作。
BUILDER’S VOICE
LOWS MAGIC MACHINE
住所 | 長野県千曲市上徳間708 |
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電話 | 026-261-4822 |
FAX | 026-261-4833 |
SHOP | LOWS MAGIC MACHINEのショップ紹介 |
営業時間 | 10:00 ~ 19:00 |
定休日 | 不定休 |