H-D FLH 1978
LUCKYS CYCLE SUPPLY
どのカスタムにも通じた
賢哲のセキュリティメソッド
当時物のパーツをさらりと差し込んだオールドスタイルのチョッパー。希少なパーツを全体に取り入れるのではなく、要所のみに数点を起用し、そしてスタイリングからは成熟した印象を与えている。これは、足周りをカチッとまとめ、車高も下げ過ぎずにある程度の高さを保持するといった大人のたしなみが行き届いているからだろう。
製作は、兵庫県のテクニカルショップとして定評を集める『ラッキーズ』。舌の肥えたファンが出入りする店なだけに、このチョッパーに関しても単なるオールドスタイルだけでは終わらない。
「安心して走れる方が良いんじゃないっていうコンセプトです(笑)。まあストックエンジンをきっちり組み直すのと、足周りのブレーキ関係ですね。フロントブレーキが弱々しいとあたふたすると思って特にきちっとしました」
店主澤田さんの本領はことさらその辺で発揮される。まずエンジンは、クランクの芯を見直しピストンをコーティング。クリアランスをきっちり測定した上で外注にボーリングを指示。当たり前のことしかやってませんよと話す氏はまた、ミッションも同じく、メインシャフトを換えてだいたい3/100のクリアランスで調整する。
「内燃機屋さんと意見がごっちゃになるんですけど、真夏はクリアランスがきついと引っかかるんで2/100以上3/100ぐらいがちょうど良い。自分の理論も含めたアイデアっていうか経験からくるもので組み直してます。マニュアル数字だと絶対引っかかるんで」
一方、フロントブレーキにはFX純正キャリパーをダブルでセット。bremboやPMも考えたそうだが21インチのスポークホイールを付けたいとのことで、それだとキャリパーの裏側がスポークに当たってしまうため断念。そして、キャリパーのピストン径のタッチと合うようにマスターシリンダーのパイ数も変更された。
だいたいマスターを変則的に使うと、踏みしろが深くなるか浅くなるかのどちらかに振れてしまう。それをブレーキタッチも良く踏みしろも取れるようにと、カスタムメイドのマスターピストン径を選択。車のようにギューッと踏み込むほど反応するベストな状態とされている。
「自分の私物のパーツとオーナーさんの私物をうまいこと使った感じと、あとは自分のアイデアと安心感を足して割った感じですね」。ツインカムからEVOに続いてこのショベルを選んだオーナーが不安なく乗れるようにと、兵庫の賢哲は、何食わぬ顔で最良の膳立てを手配する。
HARLEY-DAVIDSON FLH 1978 DETAIL WORK
FRONT FORK
スタンダードなナローフォークはFXE用35φをセット。走行安定性を保持するためスタビライザーを装着する。
FRONT CALIPER
元々はバナナキャリパーだった所をFX純正をダブルで取付。安心して乗れるようにダブルの設置は必須条件。
GAS TANK
ガスタンクは’60年代のXLCHに付いていた物を流用。澤田さんの私物だったパーツを今回のチョッパーに着装。
ENGINE
ストックエンジンを完璧に再構築。FORK製エアクリーナーカバーにシルバースミスフィンによる彫金が入る。
MUFFLER
マフラーはレプリカのフーバータイプ。スピード感を匂わす押しの強い造形はブラックアウトでトーンダウン。
SEAT
オーナーが持ち込んだ私物のハイバックシート。経年劣化した風合いとデザインが全体のフォルムによく馴染む。
LUCKYS CYCLE SUPPLY
住所 | 兵庫県加古川市尾上町養田431-6 |
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電話 | 079-422-5660 |
FAX | 079-422-5660 |
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