H-D SHOVELHEAD 1970
ENDO AUTO SERVICE
濃密に立ちゆらめく
凝縮された両翼の残香
群馬県の『遠藤自動車サービス』といえば、グースネックフレームを使った地上高の低いカスタムバイクが精髄だが、一方で、今回のようなシンプルなリジッドフレームの車両もスタンダードとして人気が高い。
1970年式のこちらは、基本的にはベースとなる形があらかじめ用意され、そこからオーナーの好みに応じてハンドルやマフラーなどの外装部分を交換していく流れだと言う。こうした廃れることない普遍的なフォルムを活かしたカスタムレシピが同店流である。
「フルカスタムではあるんですけど、その中でも乗り心地も考えつつ、初めてのハーレーでも頑張れば乗れますよっていうちょっとギリギリのラインですかね(笑)。最初からハードなカスタムだと大変だと思いますし」
番頭の大柿さんは、フルカスタムシリーズの中でも比較的提案しやすいカタチのひとつだと言う。各地から訪れるユーザーからも結構話をもらうカスタムとのことで、遠藤自動車では長年グースネックフレームと双璧をなすスタイルとして両翼を担っている。
全体像を見てみよう。スタンダードな位置づけではあるものの、節々にまで手が加えられた紛れもないフルカスタム車である。しかしその労力をうかがわせないサラリとした風韻は、シンプルさを追求しつつ車体バランスを巧みに取った手際の高さゆえだろう。
骨格のリジッドフレームには、ネオファクトリー製74スプリンガーを装着。ホイールは前後16インチで、ガスタンクに汎用のピーナッツタンクをセットする。また、リアフェンダーにも同じく汎用リブタイプを使うが、要所ではオリジナルパーツが投下される。
「フルカスタムのバイクですけどあくまでシンプルにっていうところがコンセプトです。でもシンプル過ぎてもつまらないので、真鍮の部品を使いながら少しゴージャスにしていくっていうところですね」
フットステップやキックペダル、ジョッキーシフトノブなど、各所に用いた真鍮パーツがアクセントに映えている。そして、ハンドルやマフラー、オイルタンクもオリジナル品で、これまで幾度と重ねてきた工程なだけに、その安定した装いには堂々たる芯がある。
「男性でも女性でも車高も低いですし軽量化されてる分、取り扱いはイージーだと思うんですよね。扱いやすさは重たくない分楽には出来るかなと思います」。年々改良を加えてきたこのフルカスタムシリーズは、それぞれの要望を聞き反映させた上でオーナーの元に届けられる。
HARLEY-DAVIDSON SHOVELHEAD 1970 DETAIL WORK
HANDLE
ハンドルは遠藤自動車サービスのオリジナルパーツ。真鍮キャップボルトでトップティーにアクセントを加える。
FRONT FORK
フォークにネオファクトリー製レプリカ74スプリンガーを選択。当時の雰囲気を踏襲した再現度の高いパーツ。
GAS TANK
フレーム上にローマウントした汎用ピーナッツタンク。小振りな造形を逆手にとって上手く全体と均衡を計る。
SEAT
オリジナルのレザーシートは国内で生産。オイルタンクも遠藤自動車製でこちらは米国メーカーが製作を担当。
FOOT CONTROL
オープンプライマリーは1.5インチベルトとなる。ローレットが入る真鍮ペグやステップはオリジナルパーツ。
MUFFLER
収まり良くオリジナルのショート・スラッシュカットマフラーを配備。真鍮のキックペダルも同店オリジナル。
BUILDER’S VOICE
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