H-D FLTRXS 2019
VIDA MOTORCYCLE
緩急を使い分けた
クラウスとのランデブー
市場ではまだ正当な評価が受けきれていない感のあるハーレーのニューモデル、『ミルウォーキーエイト』。一歩踏み込めばそのポテンシャルの高さにヤラれるカスタムビルダーは後を絶たないが、やはり先陣を切ってその妙味に目を付けたのは、九州のエースとして知られた『ヴィダモーターサイクル』。
今後推していきたいモデルだと話す主の大久保さんに聞けば、テーマは、峠を攻めれるツアラー。それを大前提にして基本ボルトオンパーツで構成されるが、そのほとんどを、あるアメリカの一社でまかなっている点に注視したい。クラウスモーター。氏が信頼を寄せる、アメリカ西部ユタ州に本拠を置くパフォーマンスパーツメーカーだ。
トリプルツリーやアクスル、ロータースペーサー、フェンダーマウントなど、その専門的な商品群からしてただならない雰囲気を予感させる同メーカー。新参者が儲かりそうだからパーツを作ってみました的な次元じゃないのは明白だ。
「走りというか、クラウスは見た目よりも機能重視の部分が多い。なので結構シンプルなデザインなので、それを気に入ってるのもあります。主張があまりないというか、まあシンプルな中にもカッコ良さがあるという所で使ってますね」
ことデザインや色味の感性に関しても抜け出た才を持つ氏が評価するパーツメーカーである。結局それら機能美からなるフォルムは、例え変哲のないブラックカラーで統一しても艶めかしい色気を漂わせてしまうもんだから洒落にならない。
では、全体を俯瞰(ふかん)しよう。まずフォークこそオーリンズ製だが、トリプルツリーやキャリパーサポート、フェンダーマウント、アクスルブロック、そしてハンドル周りはすべてクラウス製である。次にリアへと目を移せば、デザインの一部と化したオーリンズ製リアショックのリザーバータンクのステーもまた同メーカーのもの。
一方で、マフラーを2本出しから2イン1に変更したのを受け、サイドバッグはショートタイプに交換。純正のロードグライドスペシャル版をそのまま使うとマフラー出口のキリカキが目立ち、またバッグとフェンダー間の余計なアールも出て来ることでスイッチした部位だ。
クラウスパーツに振りつつも、勘どころですかさずこのサイドバッグに代表されるような、スナップを効かせて球威を上げるボルトオンカスタム。現場で闘い抜いた緩急があってこそ、ヴィダモーターサイクルの鉄壁の防御率は更新される。
HARLEY-DAVIDSON FLTRXS 2019 DETAIL WORK
HANDLE
トリプルツリーとライザー、メーターゲージはクラウス製。ハンドルは1-1/8サイズのフライレーシング製。
FRONT WHEEL
純正ホイールにブレンボのラジアルキャリパーを装着。オーリンズフォークにアクスルブロックはクラウス製。
GAS TANK
純正ガスタンクはソリッドなブラックカラーとされる。下手に色を加えず『黒』を際立たす処理が同店の才幹。
FOOT CONTROL
操作系はノーマルの良い部分をそのまま残し、フットボードは社外品に変更。黒で統制されたステップ周り。
MUFFLER
マフラーは2本出しから2イン1のTBR製をセット。それに合わせてサイドバッグをショートタイプに変更。
REAR END
リアエンドのアイキャッチになる『魅せる』を意識したオーリンズ製リザーバータンクのステーもクラウス製。
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