H-D S&S KNUCKLEHEAD
MOTORI GARAGE
高速に刻む
黒光りの讃美歌
もうヒリヒリするほどのハードコア。ビッと伸びたフロントエンドに、マッチョでマッシブな外装。東京でも大阪でもない、まごうことなき仙台スタイルは、スーサイダルやアグノスティックフロントといったバンドを彷彿させる問答無用の圧力がある。
「これ、お客さんの希望が純正のレプリカフレームを使ってギュッと詰まったチョッパーに作り直したいということだったんです。リニューアルというか」
コンパクトでそつなくまとめるイメージの強い『モトリガレージ』にしては若干大柄なフォルムだが、それは、酸いも甘いも知ったオーナーが一枚噛んでいるからだ。
「もうバイクに乗って長い人なんで、自分がどういうバイクが好きなのかをしっかり持ってるんですね。だからこういう感じにしたいというのがはっきりある。それこそ仙台チョッパーって言われたうち等の先輩がたの世代なんで」
希望を聞き、ポジションを合わせていったら自然とこのカタチになったそうだ。しかし、モトリガレージ固有の『巧さ』はこのバイクに関しても決して鳴りを潜めることはない。
大きく分ければ、フロントエンドとタンク、シッシーバーだろう。まずフォークは、今回のカスタムで一番最初に決まった点で、41φの6インチオーバーである。エボリューションのインナー/アウターチューブ、キャリパーを使い、ステムはエボ用だとわずかに間延びするためショベル用を装着。逆にレイクが立つこのステムを使うことで、フォークが内側に収まった精悍なフォームが形成された。
次にFXEの通称ゴキタンは、実は全体のマシンバランスに合わせて微妙に縦横を詰めて加工したもの。この、分かる人に分かれば良い的な潔さに、達観した美学が現れている。そして、シッシーバーも丸棒を曲げただけの何てことない箇所に見えて、結局は同じセオリーだ。
プレスで潰したエンドパイプに丸棒を挿入してロウ付けで仕上げる手法は同店のオハコだが、このときチラリと覗く溶接技術の高さがポイント。同業のプロフェッショナルをも唸らすメカニックによる物作りが、店主鳥居さんのイメージするカスタムを強力にサポートしている。
巧さはこれだけに留まらない。各パーツチョイスはオーナー主導だったそうだが、その中にもやはり、固有のストリートに落とし込んだトラディショナルなスタイルは隅々まで行き渡っている。部分ではなく全体。モトリガレージの巧さは、常に開けた視野で成り立っている。
HARLEY-DAVIDSON KNUCKLEHEAD DETAIL WORK
HANDLE
41φフォークと見事なマッチングを見せる、ほど良い幅のハンドルとライザーはオーナー持ち込みのパーツ。
FRONT FORK
今回のカスタムで最初に決まっていた6インチオーバーのEVO用41φフォーク。ステムはショベル用を使う。
GAS TANK
FXEタンクはわずかに縦横の幅を詰めてリメイク。ストックの野暮さを削ぎつつも素性を活かした形状となる。
ENGINE
懐にはS&S製ナックルを搭載してBキャブをセット。ステップ周りは全体の雰囲気に合わせてワンオフ。
MUFFLER
マフラーはパウコ製をベースに加工。リアホイールは高年式のツアラー用を使い、キャリパーはロッキード製。
REAR END
オーソドックスなフラットフェンダーにビーハイブテールをセット。それをワンオフのシッシーバーで支持する。
BUILDER’S VOICE
MOTORI GARAGE
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