HARLEY-DAVIDSON FXSB 2015
SUNNY-SIDE GARAGE
言葉にのせた
特別な感情
感情豊かな人である。時に弾けるように笑い、深く悩み、周りの人を惹き付けるバイタリティを持った人。サニーサイドガレージの須川さんはそんな人だ。
埼玉県の名店で修業を積んだ氏の、得意の『調整』が活きたカスタムはオーナーが乗って初めて真価を発揮するが、今回のFXSBブレイクアウトも御多分に漏れず、ベストなセッティングがなされている。
「このバイクのオーナーは二十歳の子で、初めてのハーレーだったんですね。それで、リアタイヤが太いのに乗りたいということだったので、このブレイクアウトを勧めたんです」
いつものフレンドリーな調子で語る須川さんは、まず前後のタイヤを変えることから着手。リアはノーマルの240から250ワイドへ上げ、フロントは逆に130から120ワイドへと細いタイプを履かせた。これは、前タイヤを細くすることでコーナリングしやすくさせるためだと言う。
「曲がるキッカケだとか曲がっている時のタイヤの接地感ですね。それが結局安心感になるんですけど、ライダーが感じるそれはノーマルタイヤに比べて全然違うと思います」
『調整屋』ゆえにカスタムショップが見る所とは根本的に違う。ルックスよりもまずは性能。そこを押さえた上でのカスタムである。なので、トリプルツリーもハイエンドメーカー、レブフィニ製を使うが、ネック角はそのまま。もし変えればハンドルの切れ込みが激しくなりオーナーが怖い思いをする可能性があるため、氏にとっては当然の対応である。
フロントフォークのインナーチューブは、低摩耗・高潤滑性を謳うDLCコーティングを掛ける際に分解。それに合わせてスプリングもサンダンス製トラックテックに換装している。同店では性能面を上げる時の、連動した箇所のモディファイも欠かさない。
「一番のポイントは何だろう? この子の場合は、オーナーさんからのオーダーだったブラックアウトですかね」
パフォーマンス系は言わずもがな。お家芸のサンダーマックスのチューニングはもはや、口に出すまでもない当たり前のメニューとしてカウント。そこに来て、全体を統一したブラックアウトである。
ちなみに、お気付きだろうか? 『この子』と呼んでいることに。無意識的に発したこの言葉は、実は、相当聞き捨てならないものがある。物であって物でない。氏にとってハーレーとは、そういう存在だ。
HARLEY-DAVIDSON FXSB 2015 DETAIL WORK
HANDLE
手前に引かれたキジマ製ショートドラッグバーのグリップにPM製を装着。メーター周りはブラックで統一。
FRONT FORK
ノーマルフォークのインナーチューブをDLCコーティング。バネはサンダンス製トラックテックをインストール。
ENGINE
リリース時から注目の的だった、必要にして十分の1690ccエンジン。エアクリーナーはローランドサンズ製。
FOOT CONTROL
コントロール周りにはアレンネス製のビレットパーツを組み込む。プライマリーは黒でパウダーコート済み。
MUFFLER
攻撃的な箇所のマフラーはバンス&ハインズ製。サンダーマックスチューニングと合わせて上質な走りを実現。
REAR TIRE
オーナーの希望でリアタイヤは240から250へアップ。それに合わせてフロントのナロー化でバランスを取る。
BUILDER’S VOICE
SUNNY-SIDE GARAGE
住所 | 三重県松阪市上川町1655-1 |
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電話 | 0598-67-0058 |
FAX | 0598-67-4758 |
SHOP | SUNNY-SIDE GARAGEのショップ紹介 |
営業時間 | 11:00 ~ 16:00 |
定休日 | 火曜日、水曜日、木曜日 |