ハーレー サイドバルブ U 1939のチョッパー

HARLEY-DAVIDSON U 1939
REVOLT CUSTOM CYCLES

March 22nd, 2017

寸止めで斬る
ラストサムライ

世界を獲った男のチョッパーである。2017年2月に米国で開催された、ワールドフェイマスな『EASYRIDERS BIKE SHOW』の頂点であるBIKE OF THE YEARに輝いたリボルトカスタムサイクルズ。その代表の井上さんが、ショーに出展するチョッパーとは別に、現在持ち得る技術を駆使して仕上げたのがこの1939年式Uだ。

ハーレー サイドバルブ U 1939のチョッパー

「オーナーさんが遠洋漁業の仕事をしている方なんです。話を聞いてると海が好きなのと、仕事に対する情熱が半端じゃないんですよね。で、依頼された内容が海をイメージして欲しいということだった。そして、そこに『波』と『いかり』を表現して欲しいと。その期待に応えられるように完成させたのがこの一台ですね」

ハーレー サイドバルブ U 1939のチョッパー

波といかりをボトムラインに置いた、ブルーオーシャンを思わす鮮やかなチョッパー。やり過ぎることない作り込みがアクセントに効くことで、大人の余裕とドッシリ腰を据えた風格ある佇まいを演出している。

ひとつ目のキーワード、波について見ていこう。スチールを削った造形物で全体を構成すると嫌らしくなることから、ピンポイントで表現する方法を選択したと言う。そこでまず、ツイスト加工を波に見立ててシーシーバーに入れ込み、タンク上面に塗られたフレイムスも大海に押し寄せる力強く、美しいエネルギーの塊をイメージしたものとなっている。

ハーレー サイドバルブ U 1939のチョッパー

ツイスト加工で押すと見た目の印象が単調になってしまうことから、次にグルーブとリップル加工を実施。ワンオフした2インチオーバーのフロントフォークのトップブリッジ下とグリップ、ステップ周りにグルーブ加工を。マフラーエンドにリップル加工を施し、限られた空間の中に多彩な表情を散りばめている。

ハーレー サイドバルブ U 1939のチョッパー

さて、二つ目のいかりについては、シーシーバーとタンクキャップの二カ所にそれぞれを落とし込み、最低限の主張を最大化。後方からは勿論のことバイク単体で見た時と、自分がハンドルを握った時に必ず目に入る場所に設置されている。しかしオーナーの立場になれば、ここまで海への想いを汲み取ってもらえたら言葉もないはずだ。きっと同店が世界の頂点を極めた背景には、抜きん出たスキルばかりか、こうした作り手としての『粋』も影響していることだろう。

ハーレー サイドバルブ U 1939のチョッパー

ネック周りを加工したフレームに、2インチオーバーのオリジナルフォーク。そして、やり過ぎず、むしろもう少し欲しくなるツイストやグルーブ加工で形成したディテイルの数々。必要以上に腕を見せ付けない、寸止めの美学がこのチョッパーにはある。

HARLEY-DAVIDSON U 1939 DETAIL WORK

ハーレー サイドバルブ U 1939のフロントフォーク

FRONT FORK

ワンオフで製作した2インチオーバーのフロントフォーク。トップブリッジ下のリアレッグにグルーブ加工を施行。

ハーレー サイドバルブ U 1939のガスタンク

GAS TANK

ジャストなサイジングのタンクもワンオフ。タンク上面のフレイムスの塗装は波をイメージしたものだと言う。

ハーレー サイドバルブ U 1939のフレーム

FRAME

既存の補強パイプをカットして新たにステム周りをモディファイ。モールディング後に色味が整えられる。

ハーレー サイドバルブ U 1939のプライマリーサイド

PRIMARY SIDE

カバーは車体と同色に塗装。コントローラーのステップにグルーブ加工を施し、先端にブルードットを埋め込む。

ハーレー サイドバルブ U 1939のマフラー

MUFFLER

唯一同店の本領が全面に発揮されたセクション。マフラーエンドのディンプル、グルーブ、ツイスト加工が披露。

ハーレー サイドバルブ U 1939のシッシーバー

SISSY BAR

非の打ちどころの無いアーティスティックな造形。中央のいかりが海を愛したオーナーの想いを具現化している。

BUILDER’S VOICE

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