HARLEY-DAVIDSON FXR
HOTT!! MOTOR CYCLE
FXRTを目がけた
請負人の務め
アウトローバイカーを描いた、アメリカの人気ドラマ『サンズオブアナーキー』の登場で注目を集めることになったハイスピードスタイル。最新のビッグモーターにフェアリングをまとった特徴的なデザインは、世界各国へとその人気が飛び火。ここ日本でも多くのフォロワーを従え、カテゴリーとしても確立された感がある。
そして、今回のツインカムFXRもその流れを汲んだ一台と言えよう。手掛けたのは三重県のホットモーターサイクルで、普段はヴィンテージバイクを中心に扱うが、マイナーなカウル車のFXRTが欲しいという客のオーダーを受けてご覧のスタイルにメイクした。
「FXRでカスタムを始めた。でもそこに、ツインカムエンジンを積めないか?って。何かないか探していたらチョッパーガイズのフレームにそのまま載るって教えてもらった。それで買ったんだけど、やってみると全然載らない。間違えてEVOエンジン用を買ってしまったんですね(笑)」
代表の堀田さんは一瞬青くなるものの、S&S社からEVOマウント用のツインカム・クランクケースが出ているのが判明。渡りに船。それをすかさず入手して事なきを得た。
「そもそもFXRはEVOまでで、ツインカムモデルはラインナップに無い。だから日本だとFXRのフレームにツインカムを載せ替えるというのは一般的ではないけど、アメリカだと良くあるみたいでパーツが揃ってたんです」
意図しない前途多難なスタートを切るも、持ち前の適応力で問題をクリア。次は外装だが、こちらはタンクとリアフェンダー以外はほとんどFXDXのパーツで固めている。理由を聞けば、黒い部分が多いため狙っていたハードなイメージに近付けやすかったのが1点。そしてもう1点は、当時はそれほど価格が高くなかったからだと話す。
主要な箇所はご覧のブラックアウトされたDXパーツで引き締められ、三重県のスタジオ130スイッチによるトーンを抑えたペイントでフィニッシュ。全体を落ち着いたカラーリングに彩ることで、既存のパーツを巧みに利用したフォルムからはなんとも風雅な空気感が漂う。
そして、さり気にエンジンにも手が加えられ、シリンダーボアを広げ排気量は1550ccにスープアップ。カムには3200~5700回転がベストなパワーバンドのS&S 570カムをインストールし、ミッションはスクリーミン製6速に変更するなど抜かりは無い。
ホットモーターサイクル。ヴィンテージハーレーをメインに扱いつつも旬なスタイルも卒なくこなす、変幻自在のフローターである。
HARLEY-DAVIDSON FXR DETAIL WORK
HANDLE
ゆるやかに手前にベントしたプルバックバーはFXDXの純正タイプ。ハンドル周りはすべてストックスタイル。
GAS TANK
タンクはFXRの純正をそのまま装着。シックなテイストのペイントは三重県のスタジオ130スイッチが担当。
ENGINE
ボアアップした1550ccのエンジン。キャブはミクニHSR45をセット。トランスはスクリーミン製の6速。
MUFFLER
重低音の効いたゴキゲンなサウンドを吐き出すサンダーヘッダー。FXRとは間違いのない組み合わせだ。
SIDE BAG
積載性の高いサイドバッグは純正オプション。しかし国内未販売のタイプで、本国のみで入手可能だそうだ。
SWINGARM
特徴的なスクエアデザインの穴が開けられたスイングアームはフレーム共にチョッパーガイズ製となる。
BUILDER’S VOICE
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